警察庁発表、昨年の人身売買件数は25件、被害者は日本人など17人

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逮捕,手錠

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警察庁から、昨年中に検挙した人身取引事犯の概況が発表された。検挙件数は25件、検挙人員は37人、被害者は17人(全て女性)と、いずれも減少傾向にある中で、日本人被害者の割合が増えていることが分かった。

「人身取引」だと、いま一つ分かりにくいかもしれないが、要は「人身売買」のことだ。目的はいろいろあるが、人を金銭などによって売買することで、英語ではヒューマン・トラフィッキング(Human Trafficking)と表記されることが多いため、日本では「人身取引」の言葉が充てられている。

多くの人が「たったそれだけ?」と思ったのではないだろうか。過去を振り返ってみても、統計を取り始めた平成13年以降で、最も多かった平成17年でも、検挙件数81件、検挙人員83人、被害者総数117人でしかない。

これには理由がある。先に「目的はいろいろある」と書いたように、状況によって適用する法律が異なってくるからだ。例えば不法就労に対しては出入国管理法や労働関連法(労働基準法、最低賃金法など)が適用されたり、売春に対しては売春防止法が適用されただけで、人身取引事犯として集計されていないこともあるためだ。一般的な「人身売買」の見方をあてはめれば、もう一桁上の数字になるかもしれない。

さて昨年の被害者17人の国籍は、日本人が10人、タイ人が6人、フィリピン人が1人だった。統計のある13年間の推移を見ると、傾向に変化が出てきている。

13年間の被害者の国籍別集計で最も多いのはタイ人(223人)、次いでフィリピン人(174人)、インドネシア人(76人)、コロンビア人(58人)、台湾人(49人)となっている。その次が日本人で42人だ。

ただしコロンビア人は平成17年、インドネシア人は平成19年を最後に被害者はゼロ。その一方で日本人被害者は平成19年を皮切りに毎年発生。平成22年には12人と初の二桁、翌23年には4人に減ったものの、平成24年は11人(他にフィリピン人11人、タイ人3人、台湾人1人、韓国人1人)と多数を占め、昨年は初めて国別で最多被害者数となった。

資料には、大阪のスカウトグループによる日本人女性の性風俗店等への斡旋と、違法に金銭を貸し付けて返済のために売春を強要した検挙事例が記されている。今後、日本人をターゲットにした人身取引犯罪が増えていくのかもしれない。

■警察庁「平成25年中における人身取引事犯について」(PDF)
http://www.npa.go.jp/safetylife/hoan/h25_zinshin.pdf

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