千葉県長生村に幸福の科学大学が設立予定、政教分離は大丈夫か

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文部科学省

県田勢

文部科学省は、来年度の開設を申請した幸福の科学大学など私立大学5校の設置認可を大学設置・学校法人審議会に諮問した。

数多い宗教系の学校

PL、創価、天理、智辯などが強豪校として挙がる高校野球を見ても分かるように、宗教団体が学校を運営するのは珍しいことではない。新興宗教ばかりでなく、古くからの宗教も多くの学校を運営している。新興宗教やキリスト教系(ミッション系)の学校は、名前で分かりやすいところが多いが、仏教系となれば「ここがそうだったのか」と思う学校もある。

幸福の科学は、2010年に幸福の科学学園中学校・高等学校を栃木県に開校、2013年に幸福の科学学園関西中学校・高等学校を開校した。そして今回新たに大学設置を申請した。特別の問題でもない限り認可されるだろう。

幸福の科学大学の内容

幸福の科学大学は、人間幸福学部人間幸福学科75人、経営成功学部経営成功学科95人、未来産業学部産業技術学科90人だ。「幸福」とか「成功」は付けなくても良さそうに思えるのだが、大学ホームページを見ると「それこそが大事」とばかりに強調している。

大学の設置場所(千葉県長生村一松字中瀬丙4427番1)は、JR外房線の八積駅からも上総一宮駅からも約3キロ離れた、海岸にほど近いところだ。

同村に1学年260人、4学年で1000人超の学生が寝起きする賃貸物件があるとは思えない。また外房線で千葉駅などから通うのも難しそうだ。敷地内に学生寮があるので、中学校・高校がそうであるように、大学も全寮制か、それに近いものになるだろう。

大学ホームページには歓迎の声

千葉県長生村は人口約1万5000人。小さくはないが大きくもない村だ。同村の人口動態を見ると、転入が増えているため近年も人口は増えているが、ここ5年間の平均出生数は90.2人の一方で、死亡数は164.2人だ。5歳毎の年齢階級別人口を見ると、一番多いのが60~64歳の1366人、次いで65~69歳の1183人、40~44歳の1045人だ。

村にすると、1000人を超える若い人と教職員が増え、関連した雇用も生まれるので、万々歳なのかもしれない。幸福の科学大学ホームページには、昨年8月に「地域のみなさまから寄せられた『大学建設への期待の声』」がアップされている。そこには「賑やか」「発展」「活性化」などの言葉が出てくる。

政教分離の原則はどうなる?

ここまで来ると後戻りは不可能だろう。しかし考えて欲しい。教育施設であっても、宗教に税金が投じられるのは問題ないのだろうか。先に書いたように、宗教系の学校は数多く形態も様々で、一律に論じるのは難しい。ただ政治や行政が宗教に直接かかわるのは問題になっても、教育のワンクッションを置くと可能になっているのが現状だ。

また有権者数約1万2000人の同村には、16人の村議会議員がいる。2006年や2010年の村議会議員選挙結果を見ると、300票もあれば当選できている。大学生の半数500人と教職員とが力を合わせれば、村議会議員の1人や2人くらい生み出すことも可能だろう。

2014年の村議会選挙には間に合わないが、2018年には同大学も4学年揃っているはずだ。これが荒唐無稽の想像であれば良いのだが。

■文部科学省「平成26年3月末申請の大学の設置認可の諮問について」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/1346522.htm

■千葉県長生村ホームページ
http://www.vill.chosei.chiba.jp/index.html

■幸福の科学大学ホームページ
http://university.happy-science.jp/

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