4か月半で17人死亡例の統合失調症薬「ゼプリオン」に注意喚起

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ヤンセンファーマ社の統合失調症治療薬に、短期間で多数の死亡例が見られることから、医療機関向けに注意喚起が行われたことが分かった。

厚生労働省でも情報収集中

報道によると、昨年11月に発売された同社の「ゼプリオン」を使用した患者の内、17人が死亡していることが分かった。死亡した患者や死亡に至るまでの経過に共通点が見られないことから、原因は不明ながらも、医師や医療機関に注意喚起を行っている。また厚生労働省でも情報収集に努めているそうだ。

推定で1万700人が使用

同社の発表によると、「ゼプリオン」を国内で使用した患者数は推定で1万700人。11の症例では、死因は心筋梗塞や肺塞栓と様々で、不明のものもある。年齢や既往症、投与量や投与後の期間もいろいろあり、確かに共通点はなさそうだ。

しかし併用薬の多さには驚かされる。抗精神病薬だけでも複数処方されている人が多く、全ての薬を合わせると10種類以上併用している人もいた。

「ゼプリオン」の大きな特徴の1つに、4週間で1回の注射で済むことがある。従来の同種の薬に比べれば、その期間が長いため患者の負担が小さくなる。投薬負担を減らしたい患者にとっては歓迎することだろう。ただし逆に考えれば、薬が体内に長く残ることになる。

世界約60か国で使用中

「ゼプリオン」は2009年にアメリカで認可されると、2010年にはカナダ、オーストラリア、ロシアなど、2011年にはヨーロッパ諸国、中国、台湾、フィリピンなど、現在約60か国で認可されている。しかし日本のような短期間(約4か月で17人)の死亡例はないとのこと。

未発見の患者がいるかも

同社の注意喚起文書には「出来るだけ,家族等が観察できる環境下にある患者に対して投与(中略)、あらかじめ患者及び家族等に十分な説明を行ってください」とある。

「3人死亡の生理痛薬『ヤーズ配合錠』に厚生労働省が注意喚起(1月18日)」「『家族が飲んでいる薬を知っていますか?』薬に対するリスク管理の重要性(1月21日)」でも書いたが、処方された薬を知らないままに、患者の死後、家族が葬儀を済ませてしまった可能性もある。またあって欲しくはないのだが、1人暮らしの患者が死亡してそのまま……の可能性も否定できない。

薬に頼らざるを得ない人がいるのも事実だが、リスク管理は忘れないようにしたい。

■ヤンセンファーマ「ゼプリオン水懸筋注25mg,50mg,75mg,100mg,150mgシリンジ―適正使用についてのお願い―」

http://www.janssen.co.jp/system/files/product_safety/pdf/XEP_Tekisei_0.pdf

■3人死亡の生理痛薬「ヤーズ配合錠」に厚生労働省が注意喚起(1月18日)
http://irorio.jp/agatasei/20140118/103497/

■「家族が飲んでいる薬を知っていますか?」薬に対するリスク管理の重要性(1月21日)
http://irorio.jp/agatasei/20140121/104471/

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