宝塚市議会が6年前の慰安婦問題意見書を撤回、国会や地方議会はどう動く?

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慰安婦像

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宝塚市議会が慰安婦問題の意見書を撤回する決議を採択した。

温度差も垣間見えるが

兵庫県宝塚市の市議会は8日、慰安婦問題で政府に対応を求めた意見書に対して、事実上撤回する決議を、出席した議員25人中14人の賛成多数で可決した。

意見書は平成20年、全会一致で可決したもので、報道によると河野談話の作成過程が検証された8月以降、意見書に抗議するメールや電話が100件以上寄せられていたとのこと。

平成20年の全会一致と、今回の25人中14人の賛成とに、議会の温度差を垣間見た気もするが、いち早く動いたのは評価しても良いはずだ。

大阪市議会は上書き

先日、鹿児島県議会が、慰安婦問題に関して新たな談話を発表するよう政府に要望する意見書を採択した。同様の意見書は、大阪市議会や北九州市議会でも採択している。

ただし4~5年前を振り返ると、多くの地方議会で宝塚市同様に慰安婦問題で政府に補償や謝罪を求める意見書を採択していたはずだ。

大阪市議会は、平成22年に被害者の尊厳回復などを求めた「日本軍『慰安婦』問題の早期解決に関する意見書」を可決、提出していた。

そして平成26年に「『慰安婦問題』に関する適切な対応を求める意見書」を可決したが、そこには先の意見書について、全く触れていない。

それらの地方議会はどうするのだろうか。宝塚市のように以前の決議を撤回するのか、大阪市のように新たな決議で上書きするのか。

議員に君子を求めたいが

中国の古典「易経」に「君子は豹変(ひょうへん)す」の言葉がある。

今ではやや違った意味合いで使われることもあるが、本来は「君子(立派な徳のある人)は自らの間違いに気づいたら、ヒョウの斑点のように、はっきり心を入れ替えたり、行動を切り替えたりする」との意味だ。

その意味では、約6年かかって意見書を撤回した宝塚市議会の議員14人は、準君子か亜君子、それとも君子候補予備くらいにはなるかもしれない。

萩生田議員の「骨抜き」発言

しかし微妙な外交問題を進めていくのには、君子で無い方が良いかもしれない。

先日、自民党総裁特別補佐官でもある萩生田光一衆議院議員の、河野談話に対する「骨抜き」発言に注目が集まった。

河野談話を撤回するか、新たな談話で上書き(骨抜き)するか。地方議会は、かつての意見書を撤回するか、新たな意見書で上書きするか。

河野談話や意見書に対する、安倍内閣、与党、国会、地方議会の今後の動きに注目していこう。

大阪市議会「日本軍『慰安婦』問題の早期解決に関する意見書」(平成22年)

大阪市議会「『慰安婦問題』に関する適切な対応を求める意見書」(平成26年)

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