伸び悩む外食産業、牛丼や餃子に続いて値上げをするのはどこ?

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ハンバーガー,男性,かぶりつく

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外食全体はやや苦戦

日本フードサービス協会の発表によると、9月の前年同月比売上高は98.0%と、わずかに昨年を下回った。

店舗数(前年同月比100.3%)、客単価(同102.7%)は上回ったものの、客数(同95.5%)の落ち込みをカバーするには至らなかった。

分野別で落ち込みが大きかったのは、洋風ファーストフード(前年同月比売上高88.3%)、持ち帰り米飯/回転寿司(同93.7%)、居酒屋(同94.9%)で、特に洋風ファーストフードは中国産鶏肉問題(つまりマクドナルド)の影響が残っているとある。

麺類ファーストフード(同108.5%)、その他ファーストフード(同109.8%)、焼き肉(同108.1%)などは好調だったものの、全体の売り上げは4か月連続の前年割れだ。

都市部のディナーは好調

リクルートライフスタイルの発表によると、9月の外食市場規模は3197億円(前年同月比104.3%)で、外食実施率(74.9%、前年9月は75.4%)は微減、外食頻度(4.20回、前年9月は4.19回)は微増ながら、外食単価(2420円、前年同月比106.5%)のアップが影響した。

こちらの調査は、首都圏、関西圏、東海圏における、20代から60代までの男女を対象にしたアンケート結果を集計したもので、企業を対象にした先の日本フードサービス協会の発表とは意味合いが異なるのに注意。

また「夕方以降の食事について、お店で食事した場合」に限定している点も特徴だ。要するにテイクアウトやデリバリーなども含まれない。

発表によると、外食市場にシェアの高い30代男女の客単価の伸びが、市場をけん引したとのこと。9月に入り比較的気候が安定したことも、好調な結果につながったと見ている。

2つの結果を合わせて見る

日本フードサービス協会の発表にあるレストランも、客単価が上昇(ファミリーレストラン客単価の前年同月比:102.3%、ディナーレストラン同:100.7%)している。

しかしリクルートの調査結果(客単価前年同月比106.5%)ほどではないのは、リクルートの調査対象に含まれない「地方」や「日中」の伸びが鈍かったためと考えられそうだ。

以前に小売り業界の記事を書いたが、日本百貨店協会の発表によると、東京など都市部の売り上げが好調な一方で、地方が苦戦しているとあった。

アベノミクスの恩恵は、大企業やその従業員にはあったものの中小企業には及んでおらず、都市部には広がりつつあるものの地方には届いていないとする見方がある。地方を切り離すわけには行かない外食産業も苦しい状況が続きそうだ。

次の値上げはどこ?

「吉野家」が鍋メニューを前倒しするように、客単価アップを目指して高めのメニューを導入する外食チェーンもあるが、所得のアップが物価上昇に追いついていない状況では、消費者が敬遠する可能性もある。

しかし円安により食材は値上がり傾向にある上に、人手不足も悩みの種だ。「すき家」や「餃子の王将」に続いて、値上げを発表する外食企業があっても不思議ではない。

日本フードサービス協会「2014年09月市場動向調査(平成26年10月27日発表)」

リクルートライフスタイル「2014年9月度 外食市場調査」

【参考記事】
餃子の王将が値上げを発表、餃子は20円、チャーシューメンは80円アップ(9月11日)

小売り業界は6カ月連続の前年割れ、このまま消費税10%に向かうのか(10月21日)

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