ようやく小笠原視察に行く舛添知事「中国政府に抗議している」って本当?

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東京都庁

足成

わずか3時間の訪問

舛添要一東京都知事が、小笠原村(小笠原諸島など)の視察を発表した。

それによると、高島なおき都議会議長、藤井一副議長、島しょ選出の三宅正彦都議会議員の3人が同行し、12月1日の10:30~13:45に海域視察や関係者との面会を行うとのこと。

11月21日の記者会見では、13日に関係者と面会し実情を訴えられたことで「私自身の目と耳で小笠原の実情を確かめる必要性を痛感した」と述べている。

以前の記事でも書いたが、舛添知事は2月の就任以来、ロシアに韓国に中国にと飛び回ってきた。中には中国の北京訪問のように、要請を受けて即日決定・発表した案件もある。

小笠原近海(だけではないが)の中国船による違法操業は、赤サンゴで大きく注目が集まった。しかしそれ以前から問題になっていることは、様々なメディアでもで報じられていたが、舛添知事の耳目に入っていなかったのだろうか。

実は動いていた?

などと思っていると、実は意外にも既にいろいろな活動をしていたらしい。同じく11月21日の記者会見から抜粋する。

中国政府に対しても、日本国政府に対しても、様々なルートできちんとした取り締まりをやるように要請を行っているとこであります(後略)

中国政府に対しても、様々なルートで、少なくとも北京市と東京都は友好姉妹都市の関係にあって、東京都の中に小笠原諸島があるということは、ゆめゆめ忘れないでくれというのは厳しく申し上げております。だから、何度も、あらゆるルートを使って、中国政府に対して抗議をしております

自民党の外交部会や小笠原村議会などが対策に動いていることは報じられているものの、東京都議会や舛添知事が中国政府などに抗議や要請をしていたとは気付かなかった。

ただし結果は伴っていない。こちらも記者会見から抜粋しよう。

中国の政府に聞くと、赤サンゴというのは金よりも高いということなので、ゴールドラッシュではないけれども、一生懸命取り締まっているのだけれども、金儲けだけを考えている連中はなかなか取り締まれない。今後ともやりますという答えがありました(後略)

中国政府からは、全力を挙げてこれを取り締まると。だけど、先ほど申し上げたように、もうお金儲けのために何でもやる連中をなかなか取り締まりが効かないので、申し訳ありませんが、今後ともやりますという答えが返ってきていますので、同じような呼びかけをやっていきたいと思っております(後略)

知事の立場にある人が、ないものをでっち上げるとは思えない(過去の政治家を見れば、そうとは言い切れないが)ので、何らかのやり取りがあったのだろう。

であれば、回答をした「中国政府」とは誰のことなのか。どのような立場にある人とやり取りをしているのか明らかにしてはどうだろうか。「今後ともやります」だけでは、単なる時間稼ぎ以上の意味は見いだせない。

まして東京都側が「同じような呼びかけをやって」いくだけで、どんな成果が得られるのだろうか。

友好ばかりの北京訪問

東京都の発表資料などで、舛添知事就任以降の活動を改めて振り返ってみたが、「中国政府に抗議」「中国政府に(取り締まりを)要請」したような跡は見つからなかった。

もちろん見落としている可能性もあり、活動の全てを発表しているわけでもなければ、全てが報道に載っているわけでもない。表に出づらい案件もあるだろう。

しかし北京訪問に関しても、記者会見では「友好」「信頼」を連発したり、環境問題や経済問題などで東京が協力させられたりするばかりで、小笠原周辺での違法操業については全く触れていなかった。

「どろなわ」を超えた対応

先日、北京でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開催され、久しぶりに日中首脳会談が実現した。はかばかしくない内容は横に置くとして、それを境に小笠原近海における中国漁船の違法操業が減り始めたそうだ。

「どろなわ」とは「泥棒を捕まえてから縄をなう(作る)」を略した言葉で、後手に回った状況を皮肉った意味だ。しかし泥棒が逃げた後に視察に行くのは、これに輪をかけて間の抜けた対応に違いない。

東京都「都知事の小笠原村視察について」

東京都「記者会見 11月21日」

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