エコキュートの低周波に「健康被害の可能性あり」消費者安全調査委員会が報告

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400万台が設置済み

家庭用の電気給湯器「エコキュート」に関して、消費者庁の消費者安全調査委員会が、健康被害との因果関係を認める報告書を発表した。

同製品は、現在までに400万台超が出荷・設置されている。報告書では、行政や業者、関連団体などに対応を求めており、今後の行方に注目が集まりそうだ。

19事例を聞き取り調査

資料では、問題となった案件と似た18事例を含めた19の事例に対して、50人に聞き取り調査をした結果を掲載している。

これによると、健康被害を訴えた人は50人中28人で、年代は様々ながら、性別では男性が6人、女性が22人。健康被害(複数回答)は、不眠が27人と最も多く、頭痛(12人)、めまい(11人)、吐き気(10人)、鬱状態(5人)と続いている。

似たような状況でも、健康被害が見られない人もいることが、対応を難しくしていることが分かる。

風力発電でも

低周波音を原因とする現行被害の訴えは、古くは工場や鉄道、道路などから、近年では風力発電を原因とするものが増えている。ただし個人差もあることから、行政や業者の対応が十分になされているとは言えないのが現状だ。

例えば、環境省でもパンプレットを作成しているが、そこにはこんな文章がある。

低周波は私たちのまわりに存在しますが、不快感や建具のがたつきを引き起こすような大きさの低周波音は稀にしか存在しません。
それにも関わらす、このような問題を引き起こす低周波音が身の回りにあるのではないかと思い込むことで、精神的にまいってしまうこともあります。
低周波音に対する正しい知識を身につけていただくことも、低周波音との上手なつきあい方の一つです。

低周波音に対する健康被害が、まるでその人の思い込みとでもするような内容だ。

一歩前進に

資料では、機器の設置と健康症状の発生との間に時間的な関連が認められたことや、健康被害の違いと低周波音の違いに対応関係が認められたことなどから、「ヒートポンプ給湯機の運転音が健康症状の発生に関与していると考えられる」と判断している。

そのため、経済産業省へは業者や業界団体への周知などを、環境省へは低周波音の研究促進を、公害等調整委員会へは紛争となった場合への対応を求めている。

「ヒートポンプ給湯機」の限定的な条件ながら、低周波音を原因とする健康被害が認められたことは、同様の被害や被害者に対する希望になりそうだ。

消費者庁「報告書・評価書 家庭用ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生したとの申出事案・本文」

消費者庁「報告書・評価書 家庭用ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生したとの申出事案・意見」

環境省「大気環境・自動車対策 低周波音」

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