東京新聞の「途上国への武器援助」記事が話題に、嫌がる国はどこ?

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ODAとは別枠で

東京新聞が1日に掲載した「武器購入国に資金援助 途上国向け制度検討」記事が話題になっている。

記事は、防衛省が途上国向けに新たな援助制度を創設するとの内容だ。具体的には、相手国に対して、武器購入資金を低金利で貸し出したり、武器を無償贈与したりする案が検討されているとのこと。

軍事目的の援助は、ODA(政府開発援助)では禁止していることから、新たな特殊法人を設立するなど別枠での運営になるともある。

反対意見が圧倒的

文中には、「戦後日本が築き上げてきた平和国家というブランドの崩壊にもつながりかねない」とあり、文末では、ジャーナリストの青木理氏のコメント「日本は戦争ができる国になっていこうとしている。『国のため』に推進される武器輸出が、果たして『国民のため』になるのだろうか」を紹介している。

そうした内容を受けてか「具体策を急ぐ姿勢に対しては、懐疑的な意見も少なくない」とあるものの、記事へのツイートを見ると、反対意見が圧倒的だ。

原因は日本にも

確かに、武器輸出や軍事支援などに税金が使われるのは望ましくない。しかし記事中に「制度の念頭にあるのは、南シナ海をめぐり中国との緊張が続く東南アジア諸国連合(ASEAN)だ」とあるのように、根本的な原因は中国だ。

さらにさかのぼれば、中国がここまで軍事力を拡大させたのは、日本が一因でもある。

戦後、日本は中国へ様々な形で援助を行ってきた。中国各地でインフラが整い、人的資源も充実しつつある中で、早ければ1980年代に、遅くとも1990年代には、そうした援助を取りやめるべきだった。

しかしズルズルと援助を続ける中で、中国は他の途上国に金を振り分け、軍事費を充実させるなどして、陰に陽にと影響力を拡大した。

軍事力に対して軍事力を競うのは、東西冷戦下で地球を数十回破壊することができるにまで積みあがった核兵器を思い浮かべるまでもなく、くだらない行動に違いない。しかしくだらなさに気づかない相手には、残念なことながら付き合うよりないのも事実だ。

右の頬を

新約聖書のマタイ福音書には、「右の頬を打たれたら、左の頬も向けなさい」との一文がある。現実世界で実行すれば、左の頬をぶん殴られた上に、腹パンでも食らって悶絶するのがオチだろう。

また「十訓抄」や「古事談」には、安養尼の話として、押し入った強盗が落としていった衣を届けさせたところ、強盗が改心したとの内容がある。欠片でも良心を持った相手には通用する話だが、そんな相手(国)かどうかを見分ける必要がある。

嫌がる国は?

昨今、「○○新聞が反対するのなら、これは正しい」「○○国が批判するなら、この政策は実行すべき」との意見がある。面白い見解だが、あながち間違っていないのが現実だ。

さてASEAN諸国に武器輸出や軍事支援を行うとして、嫌がる国はどこだろう。それを考えれば、税金が武器に変わるのは望ましくないものの、この政策に一理ありそうだ。

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