外国人労働者が過去最高の78万人、その裏にある違法な労働環境

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事業者数も過去最高

厚生労働省が2014年10月時点での外国人労働者の状況を発表、労働者数などが過去最多となったことが分かった。

外国人労働者数は78万7627人(2013年比+9.9%)、外国人を雇用する事業者数は13万7053か所(同+8.1%)と、統計のある2008年以降、どちらも過去最高の数字だった。

過去の推移を振り返ると、「失われた10年(20年)」などの不景気にも関わらず、外国人労働者は基本的に増加が続いている。2000年前後の外国人労働者数は約20万人だったが、2009年には約56万人と、50万人を突破した。

東日本大震災でやや減った(2011年:約68万6246人→2012年:68万2450人)ものの、2013年には71万7540人と70万人を超えている。

国別でみると

国別で最も多いのは中国(含む香港など)の31万1831人で、2013年比+2.6%だ。

次いでブラジル(9万4171人、2013年比-1.4%)、フィリピン(9万1519人、同+14.2%)、ベトナム(6万1168人、同63.0%)、韓国(3万7262人、同+9.3%)、ネパール(2万4282人、同+71.3%)、アメリカ(2万4824人、同+6.6%)、ペルー(2万3331人、同+0.6%)などとなっている。

中国、ブラジル、ペルーなどが微減か横ばいの一方で、ベトナムやネパールからの増加が目立つ。

受け入れ県は?

就労地を都道府県別でみると、東京が22万8871人で圧倒的だ。次いで愛知県(8万4579人)、神奈川県(4万6906人)、大阪府(4万343人)、静岡県(3万7992人)、埼玉県(3万858人)、千葉県(2万6676人)、茨城県(2万1585人)、岐阜県(2万384人)、福岡県(1万9831人)と続いている。

関東などの都市部で多いのは当然として、近畿よりも東海の方が多い。5位の静岡県を意外に思う人がいるかもしれないが、静岡県では自動車メーカーや楽器メーカーなどの製造工場があることから、ブラジル人を始めとした外国人労働者が集まる傾向にあった。

反対に少ないのは、青森県(10人)、宮崎県(11人)、鳥取県(59人)、高知県(129人)、和歌山県(130人)、熊本県(140人)、山形県(156人)、徳島県(159人)など。

不法残留者は?

国では、2020年に訪日外国人2000万人を目標にすると共に、外国人労働者の受け入れ拡大を進めている。介護分野に実習生を受け入れる決定記事を見聞きした人も多いだろう。ここで気になるのが不法滞在者(不法残留者)の問題だ。

法務省の資料によると、かつては10万人を超えた不法残留者数も、2014年1月時点では5万9061人と減少傾向にある。

国別では、韓国(1万4233人、2013年比-8.8%)、中国(8257人、同+6.8%)、フィリピン(5117人、同-10.6%)、タイ(4391同+23.9%)、台湾(3557人、同-12.1人)、マレーシア(1819人、同-17.0%)、ベトナム(1471人、同+32.5%)などだ。

減少しているものの「まだ5万人以上いる」とも考えられるはず。さらにこれは判明している数であって、実数はこの2倍とも3倍とも言われている

違法な外国人の労働状況

「フォーサイト」に興味深い記事があった。

フリージャーナリストの出井康博氏による外国人労働者を扱ったもので、「『人手不足』と外国人」のタイトルで、昨年9月から6回に渡って掲載している。

1月29日の6回目は「新聞は絶対書かない『留学生』の『違法新聞配達』」のタイトルで、ベトナムから来た留学生が週28時間の制限を超えて新聞配達をしていること、「新聞配達」故に違法な労働環境が報道されないことを指摘している。

これに限らず、外国人労働者や実習生が劣悪な労働環境で働かされている状況は少なくない。間口を広げるばかりの国は、こうした状況を改善する気があるのだろうか。

厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成26年10月末現在)

法務省「本邦における不法残留者数について(平成26年1月1日現在)

フォーサイト「『人手不足』と外国人(6)新聞は絶対書かない『留学生』の『違法新聞配達』」

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