敷金の返還や過剰な原状回復義務無しが明文化に、審議会が民法改正案

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法務省

県田勢

大幅な改正案

トラブルの多い敷金に関して明文化が図られる見通しだ。

報道によると、法制審議会の民法部会が債権に関する民法改正要綱案を決定した。改正項目は約200項目となり、ここまでの大幅な債権に関する改正は、民法が制定された1896年(明治29年)以来、初めてのこととしている。

年間1万件以上の相談

「敷金」は、賃貸物件などを借りる際に貸主に対して預けるもので、関西地方では「保証金」と呼ぶことが多い。これらに関するトラブルは、これまで何度も問題になっている。

その多くは、部屋の修復費用に多額のお金がかかり、敷金が戻ってこないとのトラブルで、国民生活センターの発表によると、毎年1万件以上の相談が寄せられている。

インターネットなどの普及により、消費者も知識を得るようになったためか、2010年に1万6293件だった相談件数は、翌11年は1万5513件、12年は1万4212件、13年は1万3918件と減少傾向にあるものの、まだまだ多いと言えるだろう。

国土交通省では

不動産などを管轄する国土交通省では、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を発表している。

そこでは、家具を置いた際の畳の凹みや、冷蔵庫やテレビを置いた背面の壁の変色など、通常使用における劣化や損傷は、原状回復には含まれないと示している。

しかしあくまでも「ガイドライン」に過ぎず。トラブルを完全に防ぐには至っていないようだ。

今後の見通し

審議会は、24日に開催する法制審議会第174回会議で、川陽子法務大臣に要綱案を答申する予定。これを受けて法務省では今国会に民法改正案などを提出する見通しだ。

敗戦から高度成長、さらにはバブル景気まで貸し手優位の状況が続いてきたが、その後の景気低迷と人口減少などもあって賃貸物件の余剰が明らかになっている。そろそろ大きな曲がり角を迎えたようだ。

法務省「法制審議会 – 民法(債権関係)部会」

国民生活センター「賃貸住宅の敷金、ならびに原状回復トラブル」

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

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