「世界の勇気ある女性賞」を日本人が初受賞、アメリカの思惑にも注意

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アメリカ国旗

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マタハラ対策を支援

アメリカ国務省が選ぶ「2015年 世界の勇気ある女性賞(2015 International Women of Courage Award)」に日本人が初めて選ばれたことが分かった。

選ばれたのは、日本で運営している「マタニティハラスメント対策ネットワーク」の代表、小酒部さやかさんで、他の受賞者とともに、アメリカのワシントンで開催された授賞式に出席した。

「マタニティハラスメント対策ネットワーク」のホームページでは、授賞式の写真などをアップし、小酒部さんの声明文を掲載している。今後の更なる活躍に期待しよう。

「世界の勇気ある女性賞」とは

「世界の勇気ある女性賞(International Women of Courage Award)」は、アメリカの国務省が2007年に創設したもので、人権保護や生活改善などに貢献した女性を対象に選定・表彰している。

今年、小酒部さんの他に選ばれたのは、アフガニスタンの空軍で活躍するNiloofar Rahmaniさん、バングラディッシュのジャーナリストNadia Sharmeenさん、ボリビアで人権活動に携わるRosa Julieta Montano Salvatierraさん、ビルマで性差別問題や少数民族問題に取り組むMay Sabe Phyuさん、中央アフリカ共和国で子供の保護活動などを行うBeatrice Epayeさん、ギニアでエボラ出血熱などの医療活動をしている看護士のMarie Claire Tchecolaさん、コソボで日刊紙の編集長を務めるArbana Xharraさん、パキスタンで人権活動に取り組むTabassum Adnanさん、シリアで女性の権利活動に関わり現在はレバノンに居住するMajd Chourbajiさんの9人。

毎年10人程度が選ばれて授賞式に招待されるが、中国でチベットの人権活動などに取り組んでおり、2013年に選ばれた作家のTsering Woeserさんのように、中国政府が出国を認めなかったため、授賞式に出席できないこともあった。

思惑や背景は?

数日前、ノルウェー・ノーベル賞委員会のトールビョルン・ヤーグラン委員長が解任されたニュースを覚えている人もいるだろう。

114年にも渡る同委員会の歴史の中で初めてのことで、解任に至る理由は明らかにされていないものの、ノルウェー議会の勢力変化に伴う政治的主旨が反映したものと考えられている。

今回の日本人受賞は喜ばしいことだが、その背景も十分に理解しておきたい。

文中に書いたように、同賞を主催するのはアメリカの国務省だ。名前に「世界の(International)」とあるのは、世界中の女性を対象としているとの意味であり、世界的な基準で選ばれたわけではない。

根底にあるのは、アメリカ政府の思考や思惑が基準だ。そうした意味では、中国政府がバックにある「孔子平和賞」と、大きく変わりはないとも言える。

アメリカンスタンダードは、世界のそれと一致するわけでもなく、日本の基準と全く同じではないことを忘れないようにしたい。

アメリカ国務省「Biographies of 2015 Award Winners」(英語)

「マタニティハラスメント対策ネットワーク」ホームページ

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