2014年人権侵犯事件は2万1718件と微減もネット関連は過去最高に

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2年連続の減少

法務省が2014年における人権侵犯事件の概要を発表した。

これによると、新規救済手続開始件数は2万1718件(前年比-3.2%)、処理件数は2万1718件(同-2.0%)で、いずれも2年連続して減少していることが分かる。

ただし減っているとは言っても微減であり、個別には問題視する点も多い、いくつかピックアップしてみよう。

いじめは横ばい

学校などを舞台とした「いじめ」の案件は3763件で、2013年と比較して約6.7%減少した。

ただしここ5年間の推移を見ると、2714件、3306件、3988件、4034件、そして2014年の3763件となっており、依然として高い水準にあることが分かる。

資料では10の事例を紹介しており、「小学校におけるいじめ」として、親から法務局に相談があった件を掲載している。

それによると、いじめに対する認識が親と学校側で異なっていたものの、法務局職員と人権擁護委員の立会いの下で話し合いが行われ、改善したとの結果が記されている。

体罰は減ったものの

教職員による体罰は574件で、2013年の887件と比べて約35.3%減少した。しかし5年間の推移では、337件、279件、370件、887件、574件となっており、まだまだ多い。

それを反映してか、事例でも体罰に関するものが、高校と中学で1件ずつ記載している。結果として、どちらも改善されたものの、完全になくなるには遠いようだ。

ネット上の事件が急増

インターネットを利用した人権侵犯事件は1429件で、2013年と比較して約49.3%増加し、過去最高の件数となった。

インターネットを利用した人権侵害事件の推移

法務省

事例を2つ掲載しており、1つはネット上の動画投稿サイトに中学生の子供を中傷する動画が投稿された件。もう1つは女性がSNSサイトに自ら投稿、削除した自らの性的な写真を、他のネット上の掲示板に名前などとともに掲載された件だ。

後者は「何だかなぁ」と思うところもあるが、それは横に置くとして、どちらも法務局からの要請により削除に至っている。

認識不足の面も

他の事例では、駅員による車いす利用者への乗車拒否や、スポーツクラブにおける精神障害者への一律の入会拒否があった。どちらも職員などの誤解や認識不足によるもので、改善に至っているようだ。

また特別支援学校の女子生徒が母親の交際相手に性的虐待を受けた事例や、同和地区出身者が交際相手の両親から結婚に反対された事例、障害者支援施設の職員が利用者に対して暴行していた事例が掲載されている。

法務省「平成26年における『人権侵犯事件』の状況について(概要)~人権侵害に対する法務省の人権擁護機関の取組~」

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