建設業に若手と女性を引っ張りこめ!国土交通省と厚生労働省がタッグ

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いろんな業界人

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建設労働者の高齢化問題

国土交通省と厚生労働省が、建設業の人材確保に向けて、共同での取り組み策を発表した。

発表した資料によると、建設業の就業者数のピークは1997年の685万人、その後は不景気などとともに減少しており、2010年には498万にまで減った。

また就業者の高齢化も深刻で、直近では約34%が55歳以上(全産業の平均は約29%)、30歳未満は約11%(同じく約18%)に過ぎない。

遠い人手不足解消

それでも高卒や大卒から建設業に就職する人が増えつつあることに加え、既存の求職者から建設業に就業する人も増えているため、2014年の建設業の就業者数は505万人とわずかながら増えている。

ただし2014年3月時点の充足率(求人数に対する就職した人の割合)は39.6%で、製造業の84.6%と比較しても著しく低い。また高卒3年目の離職率は48.5%と、製造業の27.3%と比べて高くなっている。

つまり人手は集まりにくく、集まった人も逃げてしまう状況だ。

こうした状況に対して、国土交通省と厚生労働省が連携して、人材確保に乗り出すようだ。

3つの観点と施策

資料では「魅力ある職場づくり」「人材確保施策」「人材育成施策」の3つの観点から次のようか施策を行うとしている。

1、魅力ある職場づくり
・社会保険未加入対策の推進
・適切な賃金水準の確保や雇用管理の知識習得・向上の推進
・雇用管理に資する助成制度の活用促進
・現場の安全管理の徹底
2、人材確保施策
・若年者等の建設分野への入職促進
・女性の活躍促進
3、人材育成施策
・地域における元請・下請、関係団体、教育機関等の連携による人材育成策の推進等
・事業主導による人材育成の促進

具体的な内容をいくつかあげてみよう。

・直轄工事において、元請企業及び下請代金の総額が3千万円以上の工事における一次下請企業を社会保険等加入企業に限定
・67歳以上への定年引き上げ、定年の廃止、65歳以上への定年引き上げと希望者全員を67歳以上まで雇用する継続雇用制度の導入
・普通科高校、小中学校への広報事業を新たに実施予定
・女性等の入職定着促進に取り組む事業主・団体に対して助成を行う

建設業労働者の給与を倍にするのような特効薬がない以上、こんなところだろうなぁとの感がある。

100年後の日本はどうなってる?

どの程度、成功するかは分からないが、やらないよりはやった方が良いだろう。けれどもまず問題になるのは、人手不足が建設業界だけではない点だ。

これまでにもIRORIOで散々取り上げてきたように、医療や介護業界、保育士、運輸・輸送業界、小売業、サービス業などで、人手不足が顕著になっている。そうした業界と、人手を取り合うことになるのは必然だ。

もう1つ考えたいのは将来のビジョンだ。インターネットで「○年後になくなる職業」のような話題を見かけた人も多いだろう。

現在こそ東日本大震災の復興需要や、2020年の東京オリンピックを控えて、建設業界は人手不足だ。

しかしそれ以降も建設需要が続くかは不明であり、そのため雇用(企業)側が積極的に人手を増やしていない面も指摘されている。

さて国土交通省や厚生労働省は、50年後、100年後の日本をどう考えているのだろうか。

厚生労働省「建設人材確保育成に向けて、国土交通省・厚生労働省が連携」

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