遅延型食物アレルギー検査に学会が注意喚起、誤った食事指導で健康被害も

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再度の注意喚起

日本アレルギー学会が「IgG抗体検査」に対して、科学的な根拠がないことから、改めて注意喚起を行っている。

NHKの報道によると、同学会が28日、都内で開催した市民講座で発表したもので、厚生労働省の調査結果などを示しながら、根拠のない食物アレルギー診断であることを説明した。

同学会だけでなく、昨年11月に日本小児アレルギー学会でも同様の注意喚起を行っており、二度、三度と重ねて呼びかけた格好だ。

IgG抗体検査とは?

アレルギー反応を、速効型と呼ばれるIgE抗と、遅行型と呼ばれるIgG抗体に分け、血液中に含まれるIgG抗体を検査することで、ゆっくりとしたアレルギー反応の有無を調べるもの。

アレルギー症状の中には、発熱や発疹、けいれんのように急性で分かりやすいものがある一方、消化不良、疲労感、筋肉痛のように、一見してアレルギーと分からないものがあるとしている。

そこでIgG抗体検査を行うことで、こうした要因となる食べ物を調べ、除去するなり減らすなりの対応を取ることにょり、健康被害を防ごうとするものだ。

根拠のない理由

日本アレルギー学会では、過去の注意喚起の発表で、IgG抗体検査が無意味な理由を挙げている。分かりやすく表現すると次の通り。

・IgG抗体はアレルギーのない健常な人にも存在する
・食物アレルギーの診断として結果が不安定
・IgG抗体のレベルは食べ物の量に比例しているだけ

さらにIgG抗体検査の結果により誤った食事指導をすることで、「原因ではない食品まで除去となり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもある」としている。

高額な検査費用

「IgG抗体検査」などの言葉でインターネット検索をすると、実際に検査を行っている医療機関のホームページが登場する。

医療機関によって検査費用は2~5万円くらいながら、もちろん保険の対象外だ。

アレルギーに悩んでいる人や、「もしかしたらアレルギーかも」と不安に思う人は少なからずいるはず。ただしそこに付け込むかのような行為は止めるべきだろう。

日本アレルギー学会「〔学会見解〕血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起」

日本小児アレルギー学会「血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起」

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