鳥取県養護学校の看護師一斉辞職問題、元日本海テレビアナの福浜議員が厳しい追及

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看護師は非常勤

鳥取県立鳥取養護学校で医療ケアを担う看護師6人が一斉に辞職した件が話題になっている。

報道によると、同学校には非常勤の看護師6人が在籍し、医療ケアの必要な生徒に対して処置を行っていたとのこと。

しかし保護者からの威圧的な言動があったことに加え、学校側などのフォロー体制が十分でなかったとして、先月末に辞職を申し出たとしている。

経緯と現在の状況

直接取材した情報もあるのか、メディアによって、やや報道内容に違いがある。鳥取県議会では、議会内容をインターネットで公開しているので、改めて議会録画を見てみた。

今回の件が取り上げられたのは、8日の総務教育常任委員会だ。まず足立特別支援教育課長や山本教育委員会教育長の発言から、経緯を並べてみる。

4月半ば:一部の保護者からの厳しい指摘が始まる
4~5月:保護者、教師、看護師などで話し合いの場が設けられる
5月22日:看護師全員が辞職を願い出る
24日:保護者会を開催し状況を説明
25日:臨時休校
26日:保護者の付き添いなどで一部登校再開
6月5日:保護者にケア協力をお願い

状況として、医療ケアを必要とする生徒は33人、現在、21人が登校中。

登校していない12人の内、入院中が3人、デイサービス利用が9人。デイサービス利用の9人中、希望する4人に対して、教師による訪問教育を行っているとのこと。

現場にしわ寄せが生じていた

報道によると、本来8人体制のところ、看護師は6人在籍していたとなっている。

しかし議会において「実質5人」とする発言があった。医療ケア以外の作業があっただろうし、看護師が病気などで休むこともあったはずで、「実質5人」が正しいのだろう。

議会発言で気になったのは、山本教育長の「鳥取県は(教育現場での)医療的ケアが全国的にも進んでいる」「(医療ケアの必要な生徒を)積極的に受け入れて学校でケア」の発言(録画では4:26:30辺りから)だ。

教育長の発言が、いくらか自慢げに感じたのは気のせいだろうか。

しかし現場の体制を整えないまま、医療ケアの必要な生徒を受け入れた状況があったらしく、看護師の聞き取り調査では、「医療的ケアの多い子供が増えて、看護師の体制が苦しかった」とする回答があったようだ。

看護師6人全員が「非常勤」であることも、十分な体制では無かったことが伺える。

つまり県上層部の医療ケアが進んでいるとする「見栄」へのしわ寄せが、現場、つまり看護師に来ていたのではないだろうか。

福浜隆宏議員の発言

こうしたやり取りの中、元日本海テレビのアナウンサーで、この4月に議員に当選したばかりの福浜隆宏議員から発言(録画では4:32:45辺りから)があった。

福浜議員のところに、5月23日、当該看護師から直接の電話あったそうだ。

福浜議員によると、看護師が様子を見たいとの意向らしく、「(私は)伏せているつもりだったが、(報道を受けて)県教委から発表があったので」と前置きして、踏み込んだ発言をしている。

福浜議員の発言は、「保護者の方にもかなり問題があるように受け取らざるを得ないような発言、かなり生命にも関わるような、非常に厳しい言い方」があったのではとする切り出しだ。

続いて具体的な様子として、「毎日のように、特定の看護師さんに対して、繰り返し同じようなこと、一挙手一投足、保護者の方が看護士をリードしながら『何でこんなことするの』とか『うちの子、殺す気』くらいの、そんな勢いで迫っていた」ことがあったらしい。

そうした保護者の言動にも関わらず、「周りの先生は見るしかない。止めることもしてくれなかった」状況があったとしている。

さらに「教員と看護師に溝を感じた」「看護師が非常勤であることから、言いたいことも言いにくい」ことを聞いたとして、「残念なことに、ボタンが掛け違いと言うか、ズレが生じてるんじゃないかな」と指摘している。

2学期には再開したいとの考えだが

今後の見通しとして、鳥取県立中央病院などからの協力を得るなどして、今週中にも医療的ケアを再開する予定。同時に新たな看護師を募集することで、2学期から通常の状態に戻したいとのこと。

ただし問題となったであろう保護者に対しては、学校側の意向は伝えたものの返事は確認できていない、教育委員会との話し合いもできていない、と不安定な状況だ。

これでは中央病院の協力を得られても、新たな看護師を雇用しても、問題は続くのではないだろうか。

鳥取県議会「総務教育常任委員会 平成27年6月8日」
(記事で取り扱った内容は、4:13:45から4:40:35まで)

【参考記事】

非常勤低収入が当たり前、厳しい学校看護師の労働条件

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