患者は「薬の副作用」情報を必要とするも、医師・薬剤師は「服用方法」第一、日本製薬工業協会調べ

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約9割が薬の説明に満足

研究開発を行う製薬会社からなる日本製薬工業協会が、薬などに対するアンケート結果を発表している。これによると、医師や薬剤師と患者とで、薬の説明に対する認識のギャップがあることが分かった。

調査は今年6月下旬にインターネットにより行われ、20歳以上の首都圏(1389人)、京阪神圏(612人)に住む2000人の回答を集計、分析している。同様の調査は2008年から1年おきに実施しているが、今回は2014年に続いて5回目の実施だ。

質問項目がいろいろある中で、興味深いと思われたものを紹介しよう。

医師や薬剤師から薬の説明を受けた(「必ず説明してくれた」「説明してくれたことが多い」の合計)は94.9%で、2008年の92.4%から、毎回ジワジワ上がっている。

90%を超える数字は「十分高い」のだが、「本来は100%でないとおかしい」とも見ることができる。

説明に満足していると答えた人は92.1%で、2008年の89.1%から増えているが、2014年の92.6%からは微減だ。

説明のギャップ

薬の説明では、医師及び薬剤師と患者との間にギャップがあることが分かった。資料にグラフを掲載している。

日本製薬工業協会「くすりと製薬産業に関する生活者意識調査報告書」

日本製薬工業協会

医師(薬剤師)が一番説明する「薬の服用方法」は、3人に1人の患者しか欲していない。「薬の効能・効果」「薬の種類・成分・特徴」もギャップが大きい。

反対に半数以上の患者が欲している「薬の副作用」を説明している医師(薬剤師)は3割未満、半分近い患者が知りたい「飲み合わせの注意」は2割未満だ。

副作用経験者は約4割

副作用を経験したことのある人は37.9%。男性が32.4%に対して、女性が42.9%とやや多めだ。そして副作用を経験した人で、医師や薬剤師に相談しなかった人が31.4%いた。

先の「説明のギャップ」と合わせて考えると、副作用と気づかないまま過ごしていた人や、副作用でないものを副作用と勘違いしていた人もいるのではないだろうか。

両方に改善の余地

その他の質問では、医師が処方する薬を90%以上が「安心」「信頼できる」、90%近くが「市販薬よりも効く」と考えていることが分かった。

それだけに医師(薬剤師)と患者における、薬への説明のギャップが残念なところ。時間などの制約もあるだろうが、薬の説明に一工夫欲しい。

ただ患者側も、次のような誤った服用をしている状況がある。

指示された通りに飲んでいない:38.7%
良くなったので飲むのを中止した:29.1%
牛乳やジュースなどで飲んだ:22.6%
以前と同じ症状が出たので前に貰った薬を飲んだ:21.9%
自分の判断で薬を加減して飲んだ:12.4%
薬を貰いに行けずに飲まなかった:10.7%

服薬の中止なども、医師の判断を受けた上で行いたいもの。医師や薬剤師と患者の両方に、薬の説明に対する認識を改善する余地があるようだ。

日本製薬工業協会「くすりと製薬産業に関する生活者意識調査報告書」

【参考記事】
服薬中の高齢者中約25%が5種類以上を服薬、「飲みたくない」「仕方なく飲む」と考える人は半数以上(9月22日)

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