カルビーが中国子会社を19円で売却、「再挑戦する」と懲りない経営陣

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中国から撤退する難しさ

「ポテトチップス」「かっぱえびせん」などの菓子を製造・販売するカルビーが。中国に設立した子会社を安値(1元、日本円で19円)で処分したことが話題になっている。

中国市場の巨大さや人件費の安さに引かれて中国に進出した企業は多いが、法制度の不備や人件費の上昇により、見込んだ利益が得られなかったとして撤退する企業は多い。

その撤退も難しい面があり、チャイナリスクの高さを思い知らされることになる。

3年間で23億円の赤字

同社が台湾・頂新グループの中国企業である康師傅方便食品投資有限公司と合弁企業を設立したのは2012年。

発表した資料を見ると、売上高は進出した2012年がゼロ、2013年が6200万元(約12億円)、2013年が3300万元(約6億円)となっている

そこそこの数字に見えるものの、赤字額は500万元(約1億円)→4900万元(約9億円)→7100万元(約13億円)と拡大する一方で、純資産もゼロとなった。

康師傅有限公司と組んだのは、同社が中国市場で幅広い販売網を持っていたためで、康師傅有限公司はカルビーの商品開発力やブランド力を、カルビーは販路を利用することで、双方にメリットがあると見込んでいたようだ。

しかし資料によれば、「今後の事業戦略及び運営方針に次第に意見が異なるようになり」契約解除に至ったとのこと。

「今後の」や「次第に」とあるが、当初からすり合わせが不十分だったのかもしれない。

ネットの声は

わずか3年、しかも持ち出しばかりとなった合弁事業の解消ながら、インターネットの掲示板やツイートには「英断」と評価する声も多い。

確かにこれ以上の損失拡大を防ぐ意味で、損切りを行う決断を下したのは正しい判断と言える。しかし進出そのものが間違いだったとして、「高い授業料」だったと批判する意見もある。

今回の中国進出をカルビーが計画した2010年頃には、既に中国市場の先行きを不安視する声があり、合弁事業を発表・開始した2012年は、中国各地で反日暴動が起きていた時期だ。

経営陣の見通しの甘さに問題は無かっただろうか。

しかも今回発表した資料には「戦略を練り直し、近い将来、再挑戦する考え」ともある。泥沼から引き揚げた足を、また突っ込むつもりのようだ。

カルビー「中国杭州合弁会社の持分譲渡による子会社の異動に関するお知らせ」

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