医療廃棄物の親しらずをiPS細胞バンクに、岐阜大の手塚准教授が推進中

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岐阜大学の手塚建一准教授(再生医科学)のグループが、抜いた歯を活用したiPS細胞バンクづくりを進めていることが分かった。

日本人の50%に対応可能

朝日新聞の報道によると、iPS細胞を使った再生医療では、患者の免疫(白血球の型)による拒絶反応が課題になっているとのこと。

そのため拒絶反応が起きにくい細胞を14種類ほど集めることで、日本人の50%に対応できる細胞バンクを作ることが可能としている。

この時、ベースとなる細胞集めに使うのが、抜歯をした親しらずや、生え変わりで抜ける乳歯だ。

記事では、手塚准教授の「歯の細胞は扱いやすく、増やしやすいのが強み。拒絶反応の起こりにくい細胞を速やかに供給することが我々の使命だ」のコメントを掲載している。

「安全なiPS細胞ストック」に向けて

同大学の資料によると、手塚准教授のグループは2012年、親しらずからiPS細胞を誘導する成果などにより、国際・米国歯学会の権威の1つ「William J.Gies賞」を受賞している。

評価ポイントの1つが「医療廃棄物として大量に得られる『親知らず』の細胞からヒトiPS細胞の効率のよい誘導に成功」だ。

岐阜大学

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この資料でも「患者さんの『白血球の型』が異なると拒絶反応が起きやすいという課題」の克服に、「『安全なiPS細胞ストック』が,歯髄細胞を用いて実現可能である事を示した成果」と書かれている。

2009年から山中教授と共同研究

同大学の機関誌「岐大のいぶき26号」では、手塚准教授のインタビューやスタッフの声を掲載している。

それによると、手塚准教授が、京都大学の山中伸弥教授と共同研究を始めたのは2009年。2011年頃には、歯髄細胞からiPS細胞を生成する成果が上がっていたとのこと。

そして山中教授がノーベル医学・生理学賞を受賞した2012年に、先に書いたように手塚准教授らのグループも「William J.Gies賞」を受賞した。

ここでも手塚准教授は「歯髄細胞バンクを構築したいですね」と目標を語っている。

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