自殺は病気!?“自殺遺伝子”の有無を知ることで、最悪の事態を未然に防げると精神科医

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なぜ人は、自殺をするのだろうか。日本では特に法的な定めはないが、アメリカ国内では自殺を犯罪としている州もある。またキリスト教やユダヤ教などでは、自ら命を絶つことは宗教的に固く禁じられている。そんな罪深い行為である自殺はこれまで、気分障害の症状の1つであるとされてきた。しかし今、自殺は“症状”ではなく“病気”だとする精神科医が増えているという。

学術誌News Scientistによれば、自殺をする人の10%は、精神病などの病歴が一切ない人だそう。また、遺伝的に自殺に走りやすい家族とそうでない家族がおり、ある調査では、一卵性双生児のどちらかが自殺をした場合にもう片方も同じような死に方をする確率は15%だが、二卵性双生児の場合はたったの1%であることもわかっているとか。さらに、自然死した気分障害の患者の脳と自殺者の脳を比べてみると、セロトニンの量が明らかに違い、意志決定を司る前頭前野皮質にも変化が見られたという。

しかし、自殺を病気だと決定づける神経学的な根拠はなく、遺伝的に自殺体質の人が自殺に踏み切るキッカケは、虐待や不安感などの環境要因であると考えられているとか。そのため、いつ自殺という“病”を発症するかは専門家にもわからないが、自殺体質であることを知ることで、自殺のリスクを上げるような薬物を処方しないなど、治療の方法は変わってくるそう。また、早い段階で精神病院を勧めるなどといった処置も可能になる。

日本の自殺率は世界的に見ても非常に高く、年間約3万人もの人が自ら命を絶っている。長引く不況による経済的な困窮、精神的なストレスなども原因の1つだとされているが、もし自殺が遺伝性の病気であるのならば、自分の“病歴”を知ることで、治療や対処法を少しは求めやすくなるかもしれない。

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