「愛と優しさを広めたい」ファーガソン事件の抗議デモで、黒人少年と白人警察官がハグ

Text by

  • 0
chambersvisuals/Instagram

chambersvisuals/Instagram

ミズーリ州ファーガソンで、今年の8月に発生した白人警察官による黒人少年の射殺事件。

先月24日に事件の当事者であるダレン・ウィルソン警察官が不起訴となったのを受け、アメリカ国内では各地で人種差別に対する抗議デモが激化している。

そんな中オレゴン州ポートランドで開かれたデモにて、1人の黒人少年が涙を流しながら白人警察官と抱き合う場面があり、そのときの写真がネット上で大きな反響を呼んでいる。

恐怖で涙する少年を警察官がハグ

地元紙The Oregonianによると、少年の名前はディヴォンティ・ハート(Devonte Hart)くん12歳。母親のジェニファー・ハートさんらとデモに参加していた彼は、首から「Free Hugs!!(フリーハグ!!)」と書かれた紙を下げていた。

バリケードの前で、目に涙をいっぱいためながら立ち尽くすディヴォンティくんの姿に気づいたブレット・バーナム警察官は、彼のもとに歩み寄りなぜ泣いているのかと質問。

少年から、警察官による黒人少年への暴力行為に対する懸念を打ち明けられたバーナム氏は、「わかるよ。ごめんな、ごめんな。」とつぶやき、ハグしてもらえるか尋ねたという。


抗議ではなく、愛と優しさを広めるため

ジェニファーさんがFacebookページに書き込んだところによれば、ディヴォンティくんは薬物中毒の母親のもとに生まれ、虐待や育児放棄に遭っていたため5歳のときにジェニファーさんらに引き取られたそう。

辛い幼少期を過ごしたせいであまり言葉を発さず、いくつか障害も抱えているというが、誰よりも思いやりがあり優しい心の持ち主だというディヴォンティくん。

そんな彼にとって今回の射殺事件はとても衝撃的で、黒人として生まれた自分自身も、いつか大人になったとき、ただ「黒人」であるというだけで命が危険にさらされるのではという恐怖を拭えずにいたとか。

そこでこの日、単なる抗議としてではなく、愛と優しさを広めるためにこのデモに参加したのだという。

ファーガソン事件とは

一連のデモの発端となっているのは、今年8月9日、丸腰の黒人少年マイケル・ブラウンさん(18歳)がウィルソン警察官に射殺されたファーガソンでの事件。

アメリカで未だ根強く残る人種差別を浮き彫りにしたもので、国内のさまざまな都市で、警察の残虐行為に対する抗議デモが今も続いている。

なお11月24日の裁判で不起訴となったウィルソン氏は、29日付けで警察を辞職。「辞めなければ暴力につながる」との脅迫を受けたためだとされている。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking