妊娠率向上に役立つか、着床前スクリーニング臨床研究開始へ

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2月28日、日本産科婦人科学会は「着床前スクリーニング」の臨床研究案を正式に承認しました。

着床前スクリーニングとは

着床前スクリーニングとは、不妊原因の多くが受精卵の染色体異常であることを背景として、着床前の段階で染色体についての事前調査を行うというもの。

さらに、調査した染色体の中から妊娠確率が高いと考えられる染色体のみを選定して子宮に戻すことで、妊娠率の向上を目指すという取り組みです。

今回の臨床研究は、体外受精を3回以上失敗、原因不明流産を2回以上経験した被験者600名を、着床スクリーニング実施者と未実施者をわけ、流産や妊娠についての関連性を調査するといった内容の研究です。

増加傾向にある不妊問題

厚生労働省が受け付けている不妊相談センターへの相談件数は、平成24年度の時点で年間20,000件にのぼり、特定不妊治療の助成金申請件数も130,000件を超えています。

また、ライフスタイルの多様化による出産年齢の高齢化など、不妊治療を受ける患者は、今後も増加傾向であることが見込まれています。

最近では、少子化対策の一環として、男性不妊治療に対しても助成金を支給する地方自治体が増えています。東京都では26年度以降、一律15万円だった助成金支給内容を改定。

治療ステージによって支給額を変動させ、最高で25万円が支給される仕組みに変更されています。

早ければ年内にも研究開始

着床スクリーニングの研究は、早ければ年内にも研究が開始される見通し。保険適用外である体外受精にかかる費用は、1回につき平均で約60万円程度と言われており、全年代を通した成功率は30%~40%とされています。

一般的な所得の家庭にとって、複数回・長期間にわたるは不妊治療は、助成金を活用したとしても大きな経済負担になるはず。妊娠率向上を目指す「着床スクリーニング」への期待が高まります。

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