水分はたった2%。それでも火星に生命は存在する?

2014年07月15日 12時00分

2014年07月15日 12時00分

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flickr_NASA's Marshall Space Flight Center
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2013年9月、NASAの探査ローバーの「キュリオシティ」が、火星の表面にある土壌に水が閉じ込められていることを発見した。地球外生命への期待は大いに膨らんだが、0.03立方メートルのほこりに、水分が2%というわずかなものだった。

しかも火星の大気は冷たく薄い。つまり水は常に凍っている。そして現在でも液体はもちろん、蒸気の形でさえ見つかっていない。にもかかわらず火星の表面には、多くの水が流れていたと思われる小渓谷の跡も発見されている。

一体これはどういうことなのか。

ミシガン大学の惑星大気学者のニルトン・レノ氏の研究チームは、液体の水がどのように火星の表面で形成されていくのか解き明かそうと試みた

水を生み出す鍵は「塩」

同研究チームが注目したのは塩だ。塩には「潮解」といって、大気から水蒸気を吸収することで液体を形成する働きがある。よく目にするのが、道に積もった雪が白い塩化カルシウムの粒によって溶けていく場面だ。

もっとも火星にある塩は食卓に並ぶようなものではない。チリのアタカマ砂漠のような乾燥地帯で見られるカルシウム過塩素酸塩を含んでおり、カルシウムと塩化物と酸素の混合物と見られている。

まず研究者たちは、火星探査機「フェニックス」が着地した地点と同じ状況を実験室に再現した。高さ0.6m、長さ1.5mの金属のシリンダーの中に摂氏マイナス120℃~21℃という火星の晩春と初夏の気温を作り出し、地球の約1%に当たる気圧に設定。さらに湿気は100%とした。

そしてカルシウム過塩素酸塩または塩分を含んだ土壌を、3mmの氷層に直接置いたところ、内部がマイナス73℃に達したとき、1分以内に水の滴が形成された。

これだけで火星にあったとされる大量の水に関する説明はできないし、まだ謎は残る。しかし少なくとも液体の水を作るのに、氷を必要とすることが分かった。それは火星の浅い地表下では生き物が生存できる環境であることを示唆している。

予想以上に整っている条件

さらに研究者は火星の極点地域において晩春と初夏には、塩水を産み出す条件が一日につき数時間続くことを突き止めた。

ニルトン・レノ氏はLive scienceに次のようなコメントを寄せている。
それらの条件は一年で数週間、また中央緯度付近の浅い地表下ではさらに長く続くでしょう

赤道や低緯度に送られているローバーは、恐らく液体の水を見つけることはできないかもしれない。ただし中緯度や極点地域では発見できる可能性が高い。なぜなら氷と十分暖かい気温が存在するからだ。しかも塩分は「フェニックス」によってすでに検知されている。

もしかしたら地球外生物の発見も、間近なのかもしれない。

2012年8月に火星のアイオリス山の麓に着陸して以来、今も「キュリオシティ」は遠く離れた惑星で、黙々と作業をこなし、孤独な旅を続けている。これまでソ連やアメリカ、日本など多くの無人探査機が故障を起こしたり、通信途絶したりを繰り返してきた。ミッションの達成率は30%とも言われている。

そんな困難を前に、彼の歩みは人類の希望へと確実につながっている。新たな発見への期待と同時に、故障せず無事に任務を全うしてくれることを願ってやまない。

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