「井の頭池」で絶滅種が復活!希少性の高い植物の蘇生も確認される

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Flickr_Daniel Ruyle

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東京都武蔵野市と三鷹市にまたがる「井の頭恩賜公園」。園内にある「井の頭池」はかつて、武蔵野台地の湧き水により、きれいな水をたたえていた。

しかし戦後、周辺の住宅開発により湧き水は枯渇し、水質は悪化。多くの水生動植物は姿を消し、ゴミは増え、外来魚も持ち込まれるようになった。

環境改善のため「かいぼり」を実施

そこで2014年1月から3月にかけて、ゴミの撤去、外来魚の駆除、在来種の保護のため、水を抜いて掃除し、池の底に酸素や光を送る「かいぼり」が行われた。その結果、8月には水の透明度も大幅に向上し、水質の改善に成功した。

長らく確認されていなかった植物が復活

しかし、収穫はそれだけではなかった。10月6日にはなんと、絶滅したと思われていた水生植物も、復活したことが確認された。

調査を行った、東邦大学理学部の西廣淳准教授と千葉県立中央博物館によれば、よみがえったのは「シャジクモ」「ヒロハノエビモ」など、長らく確認されていなかった希少種だという。

約半世紀の長い眠りから目覚める

これらの植物の種子は、池がまだきれいだったころに産み落とされ、水質が悪くなっても、底に積もった泥の中で、約半世紀にもわたる長い眠りについていた。しかし今回の「かいぼり」による水質改善によって再び目覚め、発芽したという。

まだ池の底で生命力を温存している種子

このように土の中で生命力を温存している種子の集団を「土壌シードバンク」というが、「井の頭池」の底を採取し、発芽実験を行ったところ、まだ復活していない「ハダシシャジクモ」「ホッスモ」「コウガイモ」など、希少な植物も芽吹いたことが確認された。

今後もさらに環境が改善されれば、これらの植物も自然に復活する可能性があるという。

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