日本最古の糞の化石を発見。大量絶滅後、海では生態系が速やかに復活していた

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Flickr_Brian H.Y

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大量絶滅と言えば白亜紀の終わり、恐竜が姿を消した時期が有名だが、実はそれらをはるかに上回る大規模な絶滅が、それまでに何度も繰り返されてきた。

古生代末期には生物の95.0%が絶滅

中でも生物にとって空前絶後の打撃を与えたのが、古生代末期の大量絶滅だ。

そこでは生物の95.0%が死に絶え、食物連鎖も失われ、生態系も崩壊したとされる。しかもその後、生態系が回復するのに500万年以上もかかった、と学界では言われてきた。

研究の鍵は日本最古の糞の化石だった

しかしドイツ・ボン大学の中島保寿博士研究員と、東京大学大学院の泉賢太郎さんらは、海の生態系がその後、想像以上に速やかに回復していたことを突き止めた。

鍵となったのが、発見された日本最古の糞の化石だ。意外に思えるが、糞の化石は骨の化石より発見しやすく、動物が何を食べていたのか正確に捉えることができる。

糞から脊椎動物の骨が発見

東京大学の大学院生だった頃から中島氏は、岩手県南三陸町の海岸にある中生代初期の地層から、当時海底に残されたとする60点以上の糞の化石を採集してきた。

今回、その中にあった魚類の糞を薄片にし、透過式偏光顕微鏡で観察したところ、一部に0.5mmほどの脊椎動物の骨が含まれていることが確かめられた。

国際的な学界の通説を覆す

これらの分析をまとめた結果、中生代初期の海では、無脊椎動物と大小の脊椎動物が共存し、脊椎動物の一部は小魚などを捕食していたことが判明した。

このことは国際的な学界の通説を覆し、500万年以内に複雑な食物連鎖の構造を持った生態系が回復していたという、古生物史に新たな見解を示すものとなった。

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