【史上初】幹細胞から人間の「ミニ胃」を作り出すことに成功

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体内のさまざまな器官へと分かれ、成長していく多能性幹細胞。それを使い人の胃を作り出すことに成功した、という報告が10月29日になされた。

胃オルガノイドはミニチュア版

研究を行ったのは、米シンシナティ小児病院医療センターなどの研究チーム。作り出されたのは、正確には「胃オルガノイド(組織構造体)」と呼ばれる「胃のミニチュア版」。

成功の鍵は胃の形成過程の特定

そもそも幹細胞を胃にするためには、胚(個体の最初期状態のこと)が発生する過程において、胃がどの段階で形成されるかを特定する必要がある。

研究者はそのことを特定するため、ペトリ皿(シャーレ)の中で再現実験を行った。すると幹細胞が「内胚葉細胞」へと変化した。

内胚葉細胞とは何か

「内胚葉細胞」とは、食道から大腸までの消化管や、肺や膵臓、甲状腺、気管、分泌腺などを形成する細胞のこと。

培養された細胞をうまく誘導

その細胞を培養し、胃の形成過程にそって生化学的にうまく操作することにより、胃の上部に当たる「前庭部」と呼ばれる部分を、作り出すことに成功した。

まだ実用段階にはない

約1カ月の間で、それらは約直径3mmまで成長したが、まだまだ完全な機能を備えた胃からはほど遠く、移植などには利用できないという。

しかし研究者によれば、幹細胞を誘導して臓器を作り出す方法を得た成果は大きいとし、将来は、がんや糖尿病、肥満症など、病気の初期段階を忠実に再現できるとしている。

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