愛された記憶が、心を病んだ人々の恐れの感情を和らげる

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Flickr_Kiwi_GaL

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交通事故や事件、自然災害などに巻き込まれることによって、人は心に大きな傷を負う。そして悲惨な場面を脳裏によみがえらせるたび、自責の念に駆られたり、うつ状態となったり、時にはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥ってしまう。

しかしそんな心を病んだ人たちも、愛情の記憶によって恐れや脅迫の気持ちが和らぐことが明らかになった。

fMRIを使い42人の脳反応を調査

研究を行ったのはエクセタ―大学のアンケ・カール博士と研究チーム。彼らは42人の健康な人に参加してもらい、fMRI(機能核磁気共鳴断層装置)を使い脳の反応を調べた。

fMRIとは脳の活動を画像で表し、視覚や聴覚を働かせた時に、脳のどの領域が積極的に活動を行っているか、血流動態の反応を映像として表わすことができる装置のこと。

不安を抱えている人ほど愛情の効果あり

調査の結果、愛されたり、世話を受けたりした記憶を思い出すことで、強迫観念が薄らぎ、ストレスをなだめようとする心の働きが活発化し、有効に機能することが分かった。

しかもこのことは、大きな不安を抱えている人ほど、愛情による効果が大きいことが認められた。

慰める能力が制限されている

そもそもPTSDのような数多くの精神疾患は、恐怖や驚異に対する過覚醒によって特徴づけられる。それらは過度にネガテイブな感情を抱いたり、自分を慰めようとする能力が制限されていたりすることと深く結びついている。

支援体制がトラウマから回復させる

アンケ・カール博士はSciencedailyの中で次のように語った。
「これらの新しい研究結果は、なぜトラウマからの回復が、社会的な支援のレベルと深く結びついているのかを説明できるかもしれない」

研究者たちはこの結果をPTSDの治療に役立てると同時に、心と体の関係を理解するために、更なる研究を進めるという。

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