「自分は死んでいる」コタール症候群の女性が味わった驚愕の異常体験

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Flickr_rachellbe

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コタール症候群をご存じだろうか。それは「自分がすでに死んでいる」という奇妙な感覚に取りつかれてしまう病気のことだ。

1880年にフランスの精神科医コタールが、正式に確認した精神病で、患者は虚無感や抑うつ感をベースにした自己否定的な妄想を行う。具体的には「自分には脳や、内蔵、神経がない」や「自分は腐敗して朽ち果てていく」といった感覚に襲われる。

実際に患者は医者に対して次のように訴える。「自分は魚が腐ったような匂いを発している。なぜなら自分は死んでいるからだ」と。そんな奇病にかかった女性が、イギリスのメディアに実体験を語った。

墓地に眠る人と仲良くしたい

コタール症候群にかかったのは、17歳のイギリス人女性、ハリー・スミスさん。

彼女はMirrorの中で次のように語った。
「ちょうど両親が離婚した時、私は自分の感情をうまく処理できていませんでした。そしてある日、英語の授業を受けていると、自分が死んでいるという奇妙な感覚に包まれたのです。しかもそれを振り払うことができませんでした」

その後、保険室で診断を受けたが、心理学的な異常は見当たらなかった。

「学校から家に向かって歩いている時、私は墓地を訪れることを考えました。そこには自分と同じような死んだ人がいるから、親しくしたいと思ったのです。でも結局誰もいなかった。そのためまっすぐに家に帰り、眠って奇妙な感覚を覚まそうとしました」

ゾンビ映画を見るとリラックスする

その後、一旦感覚は収まった。ハリーさんも何とか振り払えたと考えていた。しかし数日後、再び奇妙な感覚がよみがえってきた。

「その時、ちょうど私はショッピングをしていました。身体は完全に麻痺していました。そして洋服をすべて床に落とし、そのまま店を走って出ました。その時、自分は狂っていると感じました」

その後、感覚は決して去ろうとはしなかった。

「私は墓地へピクニックに行くという空想に耽っていました。また多くの時間、ホラー映画を見ることに費やしました。なぜならゾンビを見ることは、家族といる時のように、心をリラックスさせてくれたからです」

友人への告白から自信を得て、治療へ

そして徐々に学校の友達とも疎遠になっていった。しかし最終的に、ハリーさんは思い切ってボーイフレンドのジェレミー君に秘密を打ち明けた。

「私は、自分が麻薬常習者に見られてしまう、と恐れました。しかしジェレミーは、ただうなずいて聞いてくれたのです。それが私に父親へ話す自信を与えてくれました」

彼女の父親であるフロイドさんは、娘に精神科医へ行くよう促した。しかしその後ハリーさんが、他人に自分の秘密を打ち明けるまで2年もかかった。そして診察を受けると、すぐにコタール症候群だと診断された。

「私はネットで調べました。するとそこには同じ病気で苦しんでいる人の話がありました。そのことは、自分1人だけではないという勇気を与えてくれたのです」

ディズニー映画が心を解きほぐす

それからハリーさんの治療が本格的に始まった。彼女はセラピストと会話をし、無意識の感情を探ることで気持ちを整理していった。また治療に役立ったとして、ハリーさんは意外なものをあげた。

「ディズニー映画は、私の気持ちを解きほぐし、暖かくしてくれました。リトル・マーメイドやアラジン、眠れる森の美女、バンビなど、私はそれら全てを見ました」

そして徐々にハリーさんの症状は治まり、再び通常の生活が戻ってきた。

「ジェレミーは私を本当によく助けてくれた。そしてディズニーも。私たちはすぐに結婚することを望んでいます。そして私は将来、ディズニーに関わるような仕事をしたいと考えています」

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