ベトナムで16羽の鳩がスパイ容疑で逮捕される。彼らの運命は?

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Flickr_Meino Mellink

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昨年の初めに、中国がベトナムの排他的経済水域に油田掘削装置を建設したことで、両国の間に緊張が高まっているが、それが鳩にも影響を及ぼしたようだ。

鳩は第2次世界大戦でも、イギリス軍が情報を集めるための極秘任務に使われたこともあるが、今回ベトナムで16羽がスパイ容疑で逮捕された。

中国のスパイ疑惑が高まる

16羽の鳩は昨年11月に、ベトナムの中心にあるダナン市で住民によって捕らえられた。

羽根には、赤や緑のマーカーで文字のような、記号のようなものが書かれており、足首には「CHN」と中国から来たことを思わせるような足輪が取り付けられていた。

また住人が足輪の中にメモリーカードのようなものを発見したと、複数のメディアも報じており、中国のスパイとして送り込まれたのではないかという疑惑が広がっていた。

レースのために海を隔てて飛んできた

そこでベトナムの警察が鳩を逮捕し、取り調べを行った。しかし1月14日、全ての噂は否定された。16羽の鳩は、台湾や中国、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどの鳩レースクラブのものだと確認された。

警察によれば、鳩は開催されるレースのために、海を渡って飛んできたという。また羽根に書かれていた文字や足輪などは、競技に登録するためのナンバーだったことも明らかになった。現在、鳩は容疑が晴れ、解放されている。

中国とベトナムの関係

国境を接している両国は、長い歴史の中で何度も戦争を繰り返してきた。しかしベトナム戦争が行われていた1965年には、中国が北ベトナムへ極秘裏に軍事顧問団を派遣するなど、さまざまな援助を行っている。

1979年にベトナムがカンボジアへ侵攻し、当時のポルポト政権を倒したことから、カンボジアを支援していた中国が軍事作戦を展開し、中越戦争が勃発。しかしベトナムの方が実戦経験を積んだ兵士が多く、装備も優れていたことから、中国側は1カ月で撤退する。

両国の間ではその後、首脳らの会談も行われ、ビジネスパートナーとして緊密な関係が推し進められたが、2011年には南シナ海で対立が激化し、昨年6月にはベトナムの漁船が中国艦艇から銃撃を受けるなどの事件が起き、緊張が続いている。

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