未承認薬をがんの娘に与え、逮捕された父に15万人の嘆願署名。再会へ

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Facebook/Fearless father

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以前もこの話題に触れたが、再び新たな動きが伝えられた。それは嘆願署名が15万人に達し、ついにオーストラリア人の父親が、がんと闘っている娘と再会できたというもの。

大麻から抽出したオイルを与えて逮捕

父親の名前はアダム・クレスラーさん。彼は離婚後、2歳になる娘、ルーマー・ローズちゃんを1人で育ててきた。しかし彼女は「神経芽細胞腫」というがんに侵され、生存の確率が50.0%と診断されたため、アダムさんは医療用の「カナビス・オイル」を与えた。

「カナビス・オイル」とは大麻から抽出した精油のことで、脳腫瘍や乳がん、皮膚がん、肺がんなどに効果があると、多くの研究でも報告されていた。そしてルーマーちゃんにも劇的な効果をもたらし、一時は回復の兆しも見えていた。

しかしオーストラリアでは16歳以下の人に与えてはならないと、法律で決められていたため、アダムさんは病院で逮捕されてしまう。

15万人の嘆願署名が集まる

やがてアダムさんは解放されるが、保釈の条件は「娘と会わないこと」。その結果、再び通常の薬を使い症状が悪化していたルーマーちゃんに、ずっと会うことができずにいた。

もしかしたらこのまま会えずに、娘は死んでしまうかもしれない。そんな危惧を抱かざるを得ない状況の中で、彼を支援する人々が現れた。

彼らはネットでこの事実を多くの人に知らせ、法律を犯してまでも自らの娘を助けようとした父親を擁護し、娘と再会できるよう、または使う薬は自分で決められるよう、政府に嘆願するため、署名を集め始めた。

そして今週、その署名が15万人に達し、ついにアダムさんは娘に再会することができた。まさに多くの人間の意志が、硬直した世界を突き動かした結果となった。

40分間、娘と同じ部屋で過ごす

とはいえ警察は当初、病室の外で、窓越しでの面会しか認めていなかった。しかしアダムさんが病院を訪れて交渉した結果、娘に会う権利があることを認められ、同じ部屋で一緒に過ごすことを許可された。

1月2日に逮捕されて以来、離れ離れになっていた父と娘は、再会することになった。

アダムさんは40分間、ルーマーちゃんと同じ部屋で過ごすことができた。そして衰弱した娘を、しっかりと両腕で抱きしめられたようだ。

支援団体の広報は、その時の様子を次のように語った。
「ルーマーちゃんは(病気のため)少し疲れていたようだった。しかし私たちは彼女が微笑みながら、父親と一緒に遊ぶ、可愛らしい写真を何枚も撮影できました」

今後も裁判は続けられる

保釈中とはいえアダムさんは、娘に「カナビス・オイル」を与え、違法薬物を所持したとして起訴されており、今後も裁判が控えている。またこれからも、自由に面会できるかどうか見通しが立っていない。

支援団体はなおも当局にこの問題を調停するよう呼びかけ、嘆願署名を続けるという。その嘆願書には次のように書かれている。
「娘の命を長らえさせたいと願う愛情から行動を起こした父親を、重い病気と闘っている娘から引き離すことは、非人道的で公正とは言えない」

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