ツタンカーメンの顎ひげがとれる!修復に使った接着剤の痕跡まで残る

Text by

  • 1
Flickr_Gabriel A. Sampedro

Flickr_Gabriel A. Sampedro

今から約3300年前の古代エジプトのファラオ「ツタンカーメン」。その墓から発掘された黄金のマスクは、学問的にも非常に貴重ものとして、世界の宝とされてきた。

しかし先日、エジプト考古学博物館の修理作業に際し、マスクの顎ひげがとれたという報道がなされた。

接着剤を多く使い痕跡が残る

ある博物館関係者によると昨年、学芸員が照明を修理するために展示ケースから出そうとした時に、マスクがケースに当たり、顎ひげがほとんど落ちそうになり、腕で抱えたところ、とれてしまったという。

しかも問題なのはその後だ。学芸員はそれから、エポキシ樹脂の接着剤を使いくっつけたが、多くつけすぎたため、接着面にその痕跡が残ってしまった。

取り除こうとしてマスクに傷も

通常、このような貴重な遺物は、修復してダメージを与えてしまった時に備えて、痕を残さずに容易に取り除ける接着剤を使わなければならない、とされている。

それに比べてエポキシ樹脂の接着剤は、金属や石がくっつくほど強力で、もはや取り除くことができない。

にもかかわらず学芸員はそれらをヘラでこすり落とそうとし、逆にマスクに傷をつけてしまったと、専門家は指摘している。

完全な形で墓から発掘される

ツタンカーメンの黄金のマスクは、1922年にイギリスの考古学者、ハワード・カーター氏とジョージ・ハーバート氏によって発見され、世界中にニュースが流れ、古代エジプトや考古学への関心を高めた。

しかも当時の墓のほとんどが盗賊に荒らされていたにもかかわらず、ツタンカーメンの墓は、全く損なわれないまま発掘された。これは非常の稀なケースで、多くの副葬品もほぼ完全な形で見つかっている。

エジプト考古学者のトム・ハードウィック氏は、Mirrorに対し次のように語った。
「修復家から送られた写真から判断すると、私には(接着剤の)修復痕がひと目で分かる。しかし一般人にはそれが何か分からないでしょう。この時代のものを扱うには注意する必要があります。今回の修復の状況については、今後より細かく精査されるでしょう」

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking