女性兵士4割のクルド人部隊が、イスラム国から重要都市コバネを奪還

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Flickr_free kurdistan

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トルコ国境に近いシリア北部の町、コバネ(アラブ名:アイン・アル・アラブ)。ヨーロッパの若者がイスラム国へ入る通過点であり、戦略上重要な拠点で、ここでの戦闘は世界中の注目を集めていた。

しかし1月26日、シリアにいるクルド人民兵組織の人民防衛部隊(YPG)が、この町にいたイスラム国の兵士を撃退し、完全に掌握したとの報道がなされた。

町にYPGの旗がはためく

NGOのシリア人権監視団によると、YPGはイスラム国の戦闘員を撃退し、クルド人が多く住む町の奪還に成功。東部に残った一部の戦闘員を追撃しているが、もはや町の中での戦闘は行われていないという。

町の境界へと向かったクルド人、テゥフィク・カナート氏は次のように語った。
「コバニの町にYPGの旗がはためいているのが見えた。頭上には飛行している戦闘機の音が響いていた。人々は踊ったり、歌ったりしており、花火を打ち上げていた。皆、安堵していたようだ」

アメリカ軍は、コバネの町の周辺や最前線にあるイスラム国の陣地に対して、連日空爆を続けていた。その結果、700人以上イスラム国の戦闘員を殺害したと言われている。

しかしYPGも4カ月にわたるこの戦闘で200人も殺されており、民間人は女性や子供も合わせて800人以上殺害されている。

女性戦闘員が4割のYPGとは?

YPGとは2003年に結成された組織で、シリア国内に住むクルド人の自治権確立を求める「民主統一党」の軍事部門。戦闘員の総数は1万4000人。そのうちの約40.0%、6000名近くが女性戦闘員とされている。

彼女らの年齢は18歳から20歳代。地元の出身で、自分たちの町を守るために自ら志願した。そのため男性戦闘員と同じ訓練を受け、待遇も同じとされている。それどころか今回の攻防戦でも、YPGを率いたのは40歳になる女性指揮官だと言われている。

イスラム国側の兵士は、女性に殺されると天国へ行けないと信じ、彼女らを恐れている。一方、女性戦闘員も女性を蔑視するイスラム国側の捕虜になれば、何をされるか分からないとして、捕まりそうになったら自決する覚悟で戦っているという。

イラク北部で同じくイスラム国と闘っているクルド人部隊のペシャメルガは、今回の戦闘においてYPGをサポートするため、シリアへ向かい戦闘に参加したとも言われている。

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