広島県でふるさと納税を使い「犬の殺処分ゼロ」への支援の輪が広がる

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ふるさとチョイス

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地方の自治体に寄付すると、額に応じて所得税や住民税が軽減され、特産物ももらえる「ふるさと納税」。

今、この制度を使って「犬の殺処分ゼロ」を目指す運動への支援が広がっている。

寄付額が通常の80倍以上にも膨らむ

「犬の殺処分ゼロ」を目指す運動を起こしたのは、NPO法人のピース・ウィンズ・ジャパン。そして彼らをバックアップしているのが、広島県神石高原町の町役場だ。

神石高原町は広島県の東部、標高500mの中国山地に位置し、人口約1万人、森に囲まれた高原の町とされている。過疎化に苦しんでいるが、豊かな町作りを目指し、「ふるさと納税」制度も積極的に導入している。

しかしこの町の「ふるさと納税」制度は他とは少し違う。ここでは寄付をする人が、希望する使い方を、決められた中から選ぶことができる。

例えば神石高原町では、
●「教養の町『神石高原町』の推進」
●「学習環境の整備、小中高連携教育の支援」
●「子育て支援、若者定住支援」
●「高齢者、障害者支援」
●「寄付を希望する団体(町内NPO法人)を指定」
など全部で7項目の中から、選んで寄付できる。

そして昨年、「寄付を希望する団体(町内NPO法人)を指定」に、ピース・ウィンズ・ジャパンがNPO法人として加えられ、全国で初めて「ふるさと納税」の寄付金で、広島県内における「犬の殺処分ゼロ」への運動が進められた。

その結果「ふるさと納税」の寄付が平均の100万円から、80倍以上にも膨れ上がった。

ピース・ウィンズ・ジャパンの活動

1996年に設立されたピース・ウィンズ・ジャパンは、イラクやアフガニスタンなど世界26カ国で、紛争後の難民支援や、災害被災者支援を行ってきた。最近は過疎地の地域振興や動物愛護にも積極的に取り組み、神石高原町においても町内で保護された犬や、飼育放棄された犬の保護活動を行い、広島県内の「犬の殺処分ゼロ」を進めてきた。

ふるさと納税の制度を使って、ピース・ウィンズ・ジャパンに寄付をすると、その金額の95.0%が「殺処分ゼロ」を目指す活動に使われ、また寄付金のうち2000円を除いた額が、所得税や住民税から差し引かれるという仕組みになっている。

広島の土砂災害で支援の輪が広がる

殺処分ゼロ運動に対し、寄付が多く集まった理由はいろいろあるが、去年8月20日に広島県内で起きた大規模な土砂災害もあると言われている。

災害現場ではピース・ウィンズ・ジャパンが育てた2頭の救助犬が、2人の行方不明者を発見したが、そのうちの1頭「夢之丞」が県の動物愛護センターで殺処分される寸前だったことから、マスコミでも大きく取り上げられ、支援の輪も広がったと見られている。

実際、ふるさと納税ポータルサイトの「ふるさとチョイス」のサイトにおいて、ピース・ウィンズ・ジャパンがクラウドファンデイングを開設した所、81日間で5274万円が集まり、神石高原町に直接寄付する件数も増加した。

現在、ピース・ウィンズ・ジャパンは180頭ほどの犬を保護しており、獣医師に健康診断をしてもらい、必要に応じてワクチン接種や手術を含む治療を施している。またドッグトレーナーにしつけてもらい、新しい飼い主を探し、救助犬の育成も行っている。

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