がん細胞を攻撃する“殺し屋”T細胞の撮影に成功。ミクロの戦いが壮絶すぎる!

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YouTube/Cambridge University

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がんの免疫療法で使われるT細胞だが、実際どんな動きをするのかは、あまり知られていない。しかしケンブリッジ大学が、高画質で立体的な姿を捉えることに成功した。

がん細胞に穴をあけ毒物を注入し殺す

T細胞とは白血球の中のリンパ球からなり、腫瘍や体に侵入してくるウィルスを破壊する。それらを患者の血液から取り出し、数を増やし、攻撃力を強めて再び体内に戻して治療するという。

キラーT細胞は身体をパトロールし、がん細胞を見つけると膜のような触手で表面を撫でて確認。その様子が下になる。オレンジに緑が入ったものがT細胞。青ががん細胞。

ケンブリッジ大学によると、キラーT細胞はその後、がん細胞に穴をあけ、中に毒性タンパク質を注入し殺すという。これが穴をあける口のようなもの。

動物のような生き生きとした動きが印象的だ。これらはスプーン一杯分の血液の中に500万個あるとされ、大きさは髪の毛の10分の1しかない。

専門家に相手にされなかった免疫療法

がんの治療には手術療法、抗がん剤療法、放射線療法があるが、これまで免疫療法は大した成果を上げられず、がんの専門家からも、ほとんど相手にされていなかったそう。

T細胞には活性化を促す、いわゆる「アクセルボタン」と、働きを止めるPD1という「ブレーキボタン」がある。しかし、がん細胞は「ブレーキボタン」を押して、T細胞の働きを弱める戦術を取り、効力を失わせてきた。

そこで数年前に、PD1 に蓋をし、がん細胞がブレーキボタンを押せないような役目を果たす「免疫チェックポイント阻害剤」を開発。するとT細胞は活発に攻撃し、メラノーマ(悪性黒色腫)などにも劇的な効果を及ぼすことが明らかになった。

それ以来、免疫療法は汚名を返上し、今ではがん治療の大きな柱の1つと見なされるようになったと言われている。

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