【世界初】死んだマウスの細胞から生きた足を作り上げることに成功

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YouTube/New Scientist

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さまざまな分野で、日々新しい技術が開発され、応用されているが、さらに驚くべき成果が発表された。それは世界で初めてマウスの細胞を育て、「生きた足」すなわち「バイオリム」を作ることに成功したというものだ。

「バイオリム」を移植し、動かすことも可能に

この研究を手掛けたのは、マサチューセッツ・ジェネラル病院のHarald Ott博士率いる研究チーム。彼らは死んだマウスの細胞を「前足」に育て上げた。

しかもそれを足のないマウスに移植したところ、急速に血液が行き渡り、動かすことも可能になったという。

組織から細胞だけを除く脱細胞化

この「バイオリム」に使われたのが、「脱細胞化」の技術とされる。

脱細胞化とは、採取した生体組織から全ての細胞をくり抜くというもの。つまり細胞のない抜け殻にすることだ。この組織を細胞外マトリクス(母材)と呼ぶが、主成分は血管や腱、筋肉、骨を生み出すコラーゲンなどのタンパク質群とされる。

実験ではこの母材に、移植先のマウスの細胞を注入し、再細胞化を実施。その後、組織の成長を促すため栄養物を与えたところ、2~3週間で血管や筋肉が再生されたという。

拒絶反応もなし、免疫抑制剤も不要

現在、患者の顔や生殖器まで移植することが可能とされているが、「バイオリム」は通常の移植とは異なる。というのもこれは完全に当事者の細胞から作られているからだ。そのため拒絶反応のリスクもなく、免疫抑制剤を使用する必要もない。

今までのところ研究チームは、約100匹のマウスの前足を脱細胞化しており、そのうちの半分を再細胞化することに成功している。また現在、彼らはサルなどの霊長類の手足を使い、この技術が応用できるかテストを行っているという。

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