「テトリス」がトラウマ克服に効果あり:ケンブリッジ大学研究

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flickr_Flavio Ensiki

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心にトラウマ(傷)が刻まれると突然、過去の忌まわしい記憶が目の前によみがえり、苦痛に襲われてしまう。しかしそんなつらい経験も、「テトリス」が軽減してくれるという研究結果が発表された。

テトリスをするとPTSDの数値が低下

調査を手掛けたのはイギリス、ケンブリッジ大学の研究者たち。彼らはトラウマ的な記憶の力を減らす方法を探るために、58人の被験者に協力を仰いだ。

実験では全員に、飲酒運転の事故現場などショッキングな動画を見せた。翌日は2つのグループに分かれ、一方には記憶を定着させるために動画のスチール写真を示し、12分間「テトリス」に取り組ませる。もう1つのグループは何もしない。

するとゲームをしたグループは、最初に見た動画の51.0%しか内容を覚えておらず、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を診断するテストでも、ゲームをしなかった人々より低い数値となった。

災害、犯罪、虐待、死別などで生じる

そもそもトラウマは災害、犯罪、虐待、いじめ、死別、交通事故などによって生じる場合があり、数年経っても当時の状況がありありとよみがえり(フラシュ・バック)、人々をパニックに陥らせてしまう。

また戦争で兵士が残虐な行為を目にしたり、死の危険に遭い極度の恐怖を体験したりすることで症状を悪化させ、PTSDになるケースも多い。今回の結果は、このような場合でも「テトリス」が一定の効果をもたらすとしている。

テトリスと脳との因果関係は不明

確かに信じがたいことかもしれない。しかしコンピューター・ゲームによる同様の効果は、2009年にオックスフォード大学のエミリー・ホルムズ教授が行った実験でも確認されている。

ただしテトリスのどんな仕組みがトラウマに影響を与えているのか、脳にどのような効果を及ぼしているのかなどについては、今回の結果でも詳細に記されていない。

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