なぜトウガラシを食べると舌が熱くなり、ワサビは鼻にツンとくるのか?「辛味」の違いを科学的に検証

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Flickr_liz west

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同じ辛い食べ物といっても、異なった反応を体に引き起こす。そこでなぜトウガラシを食べると舌や喉が焼けるようになり、ワサビを食べると鼻にツンとくるのか調べてみた。

辛味は味覚ではなく、痛みに近い?

以前、科学情報サイトのPubMed Healthの中で発表された研究によれば、そもそも辛味は味覚ではないという。

甘味や塩味、酸味などは舌で味わうが、辛味の感覚は痛みを検知する受容器が積極的に活動した結果だとしている。

舌の受容体が辛味成分を付着させる

この痛みを検知するのが、人間の身体に張り巡らされているポリモーダル受容器。これは原始的な感覚器官で痛みに対し敏感に反応、体に平衡をとるよう促す。

また2007年に発表された研究では、舌にはポリモーダルの1つとされるTRPV1(旧バニロイド)と呼ばれる受容体のあることが明らかにされた。

これは温度などの変化に敏感で、辛味の成分であるカプサイシンなどの分子を付着させる。すると脳が熱を検知し燃えていると判断。そのため舌が焼けるように感じ、汗も噴き出てしまう。

重さの異なる分子構造で反応が異なる

またトウガラシや黒コショウには、カプサイシンやピぺリンという成分が含まれている。これらは重い分子のアルキルアミドから作られているため、口に入ると舌の奥や喉へも下りていく。

一方、マスタードやワサビは軽い分子であるイソチオシアネートで構成されているため、口の中に入った途端、鼻孔付近まで浮き上がる。

このためトウガラシなどは舌や喉が焼けるように感じ、ワサビは鼻にツンとくるという。

ちなみに、意外なことに辛いものに対する耐性に個人差は特になく、「辛いものが得意」という人は、単に刺激や痛みを好み欲しているだけだとされている。

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