イジメをするのは遺伝子のせい?人類進化の過程で身につけた生存能力である可能性が

Text by

  • 3
123RF

123RF

日本でも大きな問題となっているイジメ。しかし皮肉なことにイジメっ子はクラスで中心的な存在となり、積極的に異性との関係を築いているという研究結果が報告された。

 繁殖への圧力から妬みを必要とする

これに携わったのはカナダのサイモンフレーザー大学、ジェニファー・ウォン博士率いる研究チーム。

博士らは進化心理学において、人の心は生存と繁殖へのプレッシャーで形作られていると主張。そこで必要とされるのは言語能力と、魅力的なものに対する妬みだという。

このような性質が進化の過程で人類の生存能力と繁殖力を高め、同時にイジメが発生したと仮説を立てている。

イジメっ子は自尊心が強く精神面も安定

 それらを前提に研究者らは13歳から16歳までの女子、135人を対象に調査を行った。まずはイジメの状況を分析するための基本的なアンケートを実施。彼女らを「イジメっ子」「傍観者」「被害者」「加害者であり被害者」の4つのタイプに分類した。

さらに皆に心理テストを行い、「うつ状態」「自尊心」「クラス内の地位」「不安心理」という4つの項目に注目し分析。誰がどういう状態かを調べた。

その結果、被験者の11.0%がイジメっ子であることが判明する。しかもその子らはクラスでも中心的な存在で自尊心が強く、うつ状態のレベルも低くて精神面も良好。クラスでの地位のおかげで積極的に人間関係を作り、性的交渉の機会も多いことが示された。

地位を獲得することで性的魅力が増す

ウォン博士らは報告の中で「この結果は、イジメが人間の進化発展の過程で生じたという仮説を補っています。グループ内の地位を確立することが、性的魅力を増すことにも役立ってきました」と記している。

アメリカでもイジメは大きな社会問題となっており、多くの防止プログラムも実践されてきたが機能していないという。ウォン博士らは今回の結果を、新たなイジメ防止策のために生かしていきたいと考えている。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking