まるでトカゲの尻尾!切断された指が元通りになる「魔法の粉」がスゴイ

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トカゲの尻尾がすぐに再生するように、人間の失われた指も生えてくるという「魔法の粉」についての動画が紹介されている。

ブタの膀胱から作る方法を詳しく紹介

タイトルは「新しい指を育てる方法」。実はこの粉については以前日本のテレビ番組でも取り上げられたが、動画ではピッツバーグ大学の研究者たちによってさらに詳しい作り方が示されている。

そこで使われているのはブタの組織。これは人間の心臓弁などさまざまな器官を再生することに使用されてきたそうだ。しかも安くて簡単に入手可能。人とブタの遺伝的構成が似ているため、めったに拒絶反応も起きないという。

動画の中で研究者らはブタの膀胱組織の表面をこすり落とし、すべての細胞の土台となる細胞外マトリクス(コラーゲンからなるタンパク質)を採取している。

YouTube/Science Channel

 非常に細かい作業だ。

魔法の粉の正体は細胞外マトリクス

動画に出演しているステファン・バディラック博士によれば、細胞外マトリクスはさまざまな組織と器官とを結び付ける接着剤の役割を果たし、細胞へと命令を伝えたり指令を受け取ったりすることで増殖を促し、再生が進むという。下が細胞外マトリクス。

YouTube/Science Channel

 採取された膜状の細胞外マトリクスは、やがて洗浄後に乾燥し粉状にされる。これが「魔法の粉」の正体。またそれは薄いシートに成形されて使われることもあるようだ。

マウスの足を完全復元

2005年の事故で指を切断したリー・スピィバック氏は、実際にこれを使い治療を開始。切断面の中心に「魔法の粉」を振りかけることで指が生え始め、4週間で元通りになったという。しかも欠損や変色もなく、爪までしっかり再生されたそうだ。

細胞外マトリクスを使用した例では、今年の6月にマサチューセッツ総合病院の研究者がこれを使いマウスの足を完全に復元したというものがある。複雑な器官の再生はこれが初めてで、手足を失った人にも応用できる可能性が出てきた。

また日本でも2014年12月には、富士フィルムが細胞外マトリクスを研究用試薬として発売すると発表。すでに「セルネスト ヒト1型コラーゲン様リコンビナントペプチド」という名前で研究機関や企業に提供されている。

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