運動中に水だけを大量に飲むと脳が膨張し死に至る危険性が…実際に起きた症例を公開

2015年10月07日 19時06分

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123RF
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激しい運動をしている最中は水を飲みたくなるものだが、何も食べずに過剰に水分だけを摂取すると死に至ることもあるという。

医療ジャーナル誌「Wilderness & Environmental Medicine」の9月号では、実際にロンドン出身の47歳の女性に起きた同様の事例を報告している。

水の飲み過ぎでナトリウム不足に

それによれば彼女は2008年9月に夫とともにグランドキャニオン国立公園を訪れ、約10kmに及ぶコースをハイキングしていたそう。その後バスに乗り、近くの村まで下りたところ突然気絶し、前のめりに倒れこんでしまったという。

救急車が到着した時には意識も回復し、頭痛を訴えて受け答えも遅かったが、それでも普通に座ることができたとか。しかし近くの病院へ搬送される途中に再び昏睡状態に。医者は塩分溶液を注射したが、やがて脳死と判定。帰らぬ人になってしまったそうだ。

夫によれば彼女はハイキングの間ほとんど何も口にせず、かなりの量の水を飲んでいたといい、このことから医者は血液中のナトリウム不足からくる「運動関連ナトリウム血症」であると診断した。

細胞内に水分が流入し脳が膨張する

激しい運動をしながら水を大量に飲むと、体内の塩分やミネラルが薄まる。しかも長く息を切らせるとバランスを保つミネラルなどが減少し、細胞内に水分が一気に流入。

脳も膨れ上がり頭蓋骨を圧迫し始めるそうだ。6%まで膨張するとやがて痙攣を起こし、昏睡状態に陥り、脳損傷によって死に至ると言われている。

このような「ナトリウム血症」は激しい運動を止めた後に、しばしば遅れて症状が現れるという。しかもこの病気は症状が急性高山病や熱中症、血糖低下などと似ており、間違われやすく特定しにくいそうだ。

マラソンをしている人にも発症する場合があり、アメリカの医者も選手にレース中は平均で3リットルしか飲まないよう警告している。運動の秋だからこそ、このような病気にならないよう水分だけの摂取は控えめにした方がいいかもしれない。

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