渡り鳥はなぜ数千キロの距離を正確に移動できるのか?その理由が明らかに

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Flickr_Ron Knight

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数千キロに及ぶ旅を毎年行う渡り鳥。どうして正確に目的地へ到着できるのか。それを調べるための実験が行われた。

特別なシステムで鳥の磁場を変更

この調査に携わったのは北アイルランド、クィーンズ大学ベルファストの研究者たち。彼らはまず、指定した目的地と同じ磁場を生み出す「磁場コイルシステム」を製作する。

そしてバルト海沿岸に生息していたヨーロッパ・ヨシキリを捕獲。それらをコイルシステムの中に数日間住まわせ、鳥の磁場を変更させた。

その後ヨシキリを解放したところ、鳥たちは本来の移住地がある北東方向ではなく、指定した目的地がある北西方向へと飛び立っていったという。

磁場以外の機能を損なわないよう設計

これまで渡り鳥は太陽や月、目標物、匂いなどを頼りに飛行すると考えられてきたが、「磁場コイルシステム」は知覚や嗅覚などその他の機能を損なわないよう設計している。

このことから研究者たちはシステムの中で鳥たちの磁場パラメーターが変化し、設定された場所へ飛んでいったと判断。渡り鳥が磁場を利用し飛行を続けている可能性が高いと結論付けた。

渡り鳥の磁場説は今まで誰も証明できず

実は渡り鳥も飛行ルートを間違うことがあるそうだ。しかしある地点でそれに気づき、方向を転換できるといわれてきた。

また磁場の影響で飛ぶとする説は19世紀から唱えられていたが、これを証明することは長い間、誰にもできなかったという。

もっとも研究者らは、どのようにして鳥が磁場を感知しているのか、または磁場のどの部分が彼らにとって重要なのかを調べるためにも、今後さらに研究を進める必要があるとしている。

実はイセエビやウミガメなども、磁場を使って長い距離を移動しているそうだ。これらの動物の仕組みを知るためにも、更なる研究結果に期待したい。

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