幻の鯨とされるオオムラクジラ、フィールド調査で初めて生態が確認される

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Woods Hole Oceanographic Institution

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オオムラクジラをご存じだろうか。今まで海岸に打ち上げられるなどして存在は確認はされているが、ほとんど生態が分かっていない「幻の鯨」とされている。

しかし今回、初めてフィールド調査が行われ、10月14日に科学誌のRoyal Society Open Science journalで発表された。

マダガスカルの沖合でフィールド調査

この調査にあったのはWildlife Conservation Societyの研究者たち。彼らは2007年からマダガスカルの北西沿岸で、海洋哺乳類のフィールド調査を実施。

2011年には同エリアで最初にオオムラクジラを目撃する。しかし当時は情報も少なく、ニタリクジラと思い込んでいたようだ。

2013年に調査エリアを移動させてから、頻繁に群れを見ることになる。その時には頭部に左右非対称のユニークな色使いをした明らかな特徴を発見。

さらに2年かけてオオムラクジラの44のグループを観測し、18頭の大人の皮膚から組織を採取することに成功する。

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そして生殖行動として発声することや、浅瀬を好んで生活していることなどが明らかとなった。

長い間、他の鯨と同一視されてきた

オオムラクジラは長い間、ニタリクジラと同一視されてきたと言われている。それも2種とも鯨ヒゲを持ち、背びれの大きさもほとんど同じだったからだ。

ただし実際はオオムラクジラの方がわずかに小さく、下顎の右側に白い模様、左側に黒っぽい模様というユニークな特徴を持つ。

以前は、日本の調査捕鯨で捕まえられたり、海岸に打ち上げられたりしたものから8個の標本が作られていたが、それ以外の情報は乏しく、ほとんど生態は知られていなかった。

2003年になって初めて、昔行われた鯨調査や死骸サンプルの遺伝情報から、オオムラクジラが明らかに他の種とは異なることが確認される。

そして今回も18頭から採取された組織データがノーザン・ミシガン大学に送られ、DNA解析の結果、全てがオオムラクジラだと認められた。

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