アメリカ西海岸で放射性物質を検出、微量だが濃度が高まっていると判明

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Woods Hole Oceanographic

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福島の原発事故以来、海洋における影響を調査してきた科学者が、アメリカ西海岸でも放射性物質の濃度が高まっているという結果を発表した。

これまでで最も高い数値を記録

この調査に携わってきたのはWoods Hole Oceanographic Institutionの科学者、Ken Buesseler氏らの研究チーム。彼らはアメリカ西海岸の沖合、複数の地点から海水のサンプルを採取した。

それを調べた結果、放射性セシウム同位元素のレベルが1立方メートルあたり11ベクレルとなり、今まで西海岸で採取されたものより50%も上昇していると判明。中でもサンフランシスコの沖合1600マイル地点のサンプルは、これまでで最も高い数値となった。

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ただし研究者らによれば、この濃度はアメリカ政府が定めた飲料水の基準値より500倍以上も低い値で、採取されたセシウム137のいくつかは1950年代から70年代にかけて行われた核実験のものも含まれるという。

福島第一から漏れている可能性を指摘

またBuesseler氏は2011年に起きた原発事故の3カ月後から日本近海の放射性物質の量も調査しており、現在も日本人の仲間と共に発電所から約1km離れた場所からサンプルを採取し、福島第一原発からの漏出の状況を独自にモニターしている。

今年の10月には発電所の海岸線に沿って海水や海の生き物、海底の土砂、地下水などのサンプルを収集。その結果、福島の沖合の放射性レベルも高いままで、アメリカ西海岸よりも10倍から100倍に及ぶと指摘した。

Buesseler氏は報告の中で「今日の日本近海の放射能レベルは、2011年に放出されたピーク時よりも数千倍も低くなっている。ただし福島の沖合ではいまだに高いという発見は、発電所からの継続的な漏出の可能性を強めています」と語っている。

彼は今回の結果を、12月14日にサンフランシスコで開催されるAmerican Geophysical Union会議において正式に発表する予定だという。

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