米科学者が人間の臓器を持った羊や豚などハイブリッド生物を開発中、その目的とは?

Text by

  • 1
Flickr_Micolo J

Flickr_Micolo J

アメリカの科学者が、人間の臓器を持った羊や豚などのハイブリッド生物を作り出そうとしていることがMIT Technology Reviewにおいて発表された。

動物の胚の中で人の幹細胞を操作

その報告によれば、「キメラ」とも言うべきハイブリッド生物は人間の幹細胞を動物の胚に注射することで作られていくという。

さらに研究者らはその胚の中で人の幹細胞を操作。それをメスの家畜に埋め込み妊娠、出産させる。生まれたハイブリッド生物は成長と共に体内で人間の臓器を育て、やがてそれが摘出され、病気の患者に移植されていく。

実際、報告では昨年アメリカの複数の大学において、約20頭の動物にハイブリッド胚が受胎させられたと予想。どれもが公式に発表されていないが、他の科学者が人間の細胞を組み込んだ豚の胚や赤ちゃんを明らかにした例もあるようだ。

臓器移植を待ち望む人のために

ハイブリッド動物を作る目的は、臓器移植を必要とする患者を救うため。臓器の需要に比べて供給は少ないため、腎臓移植の場合でも2~3年は待つ必要があるとされている。

しかも生死に関わる病気にかかった場合、移植が間に合わず死んでしまうケースも今まで多くあったという。

公式の研究論文も発表していない

もっとも倫理的な問題も残されている。昨年、米政府の研究機関であるNational Institutes of Healthは科学的・社会的合意形成が見られるまで、ハイブリッド動物に関する研究を援助できない可能性があると発表。

また各機関も研究を進めながら、国民に対する衝撃が大きすぎるとして、これまでの成果を公式な研究論文などで発表はしていない。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking