震災から奇跡的に生き残った「カメ吉」5年ぶりに故郷へ戻る

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もぐらんぴあ まちなか水族館提供

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

2016年4月23日、東日本大震災で全壊した岩手県久慈市の水族館「地下水族科学館もぐらんぴあ」が再開を果たす。

そして、震災の直後、生き残っていたウミガメの「カメ吉」が帰ってくることとなった。

奇跡的に生き残った「カメ吉」

当時、約200種類、約3000匹いた魚介類のほとんどが津波による被害で死んでしまうという悲惨な状況だったが、奇跡的に生き残っていたのがアオウミガメの「カメ吉」だ。

震災前の「もぐらんぴあ」館内は、魚たちの泳ぐ様子が見えるトンネル水槽が人気だった。

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

しかし、津波の被害を受け、全壊してしまった。

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

カメ吉を飼育できる水槽がないため、カメ吉は青森県八戸市にある「水産科学館マリエント」へ預けられることとなった。こちらも震災で被害を受けていたが、快く受け入れられたという。

「これで魚たちは生きていける、と思うと安心しました」(広報担当の宇部さん)。

「もぐらんぴあ」はその後、市民からの復活を求める声があがり、行政の支援を受けて久慈駅前の空き店舗を利用した「もぐらんぴあ まちなか水族館」を開館することができた。

「まちなか水族館」には、さかなクンが寄付した生物と、久慈の海に暮らす生物が展示された。当初は期限付きの営業だったが、継続が決まり現在に至る。

会いに行くと餌を食べてくれた

いっぽう「水産科学館マリエント」へ移動したカメ吉は、えさも食べず、元気を失ってしまっていた。震災を経験し、見知らぬ場所に移動したことのストレスだったのかもしれない。

心配した宇部さんは震災から約1ヶ月後、カメ吉の様子を見に行った。

「さかなクンが久慈に初めて来た帰り、一緒に様子を見に行きました。するとカメ吉は安心したように側に寄ってきてくれて、その後、えさを食べ始めてくれました。嬉しかったです」(宇部さん)。

5年の間に、体長もだいぶ大きくなった。

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

もぐらんぴあ まちなか水族館提供

カメ吉の輸送資金が集まる

久慈市では「もぐらんぴあ」を完全復活させ、カメ吉が帰ってくる場所を作るためにクラウドファンディングで資金を募集した。すると目標額600万円のところ、200万円以上の金額に達した。

この費用は、カメ吉の輸送と、水槽周辺の設備、装飾にかかる費用に使われるという。

青森から輸送にかかる時間はおよそ1時間10分ほどだというが、5年の間に身体が大きくなっているので、以前よりは大がかりになりそうだという。

4月には新しくなった「もぐらんぴあ」と、新しい水槽で泳ぐカメ吉の姿を見ることができる。

再建されるもぐらんぴあの外観です

Posted by もぐらんぴあ・まちなか水族館 on 2016年1月31日

今後、クラウドファンディングで集まった費用で、カメ吉の輸送費のほか、もぐらんぴあを盛り上げるためのプロジェクションマッピングの制作、カメ吉を中心としたドキュメンタリー動画が制作される予定とのことだ。

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