なぜ作った?モールス信号で文字入力する機器、開発者の筑波大生に聞いた

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https://forethumb.com/

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「モールス信号で入力する変態製品」

まずはツイッターで8000件近くリツイートされたこの投稿からご覧いただきたい。

この動画は、ある機器からモールス信号で文字を入力している様子だ。

指で手前の棒状のものを動かすと……

Twitter/@9skmz

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「TWITTER」と文字が入力される。

Twitter/@9skmz

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この製品「フォーサム」は、通販サイトで6台限定で販売されたが、すでに完売した。

念のため説明すると、モールス信号とは文字信号で「・(トン)」と「―(ツー)」の組み合わせで文字を表す。例えば「A」なら「・―」という組み合わせになる。

ツイートを投稿した人が「変態製品」とツイートしている通り、モールス信号で入力する機器という珍しさに、ツイッター上では8000回以上リツイートされた。

だが、実はある特技を持つ人たちにとっては大変に画期的な製品なのだ。

モールス信号の練習に力を発揮

この製品「フォーサム」は筑波大学の学生2人で結成された「Forethumb Project(フォーサムプロジェクト)」が開発、販売した。

ハードウェア開発を担当した小山裕貴さんは筑波大学の情報学群、ソフトウェアの開発を担当した樫原輝さんは理工学群に在籍する2年生(2016年3月現在)だ。

――「フォーサム」を作ろうと思ったきっかけは?

樫原さん:2人でカフェで話していて思いついたアイデアです。2人とも、何か創造して作るのが好きなので、普段から新しいデバイスについて話をしています。

――入力がなぜ「モールス信号」なのでしょう?

樫原さん:小山は第1級アマチュア無線技士の免許を持っていて、私も免許を取る予定なのですが、モールス符号を覚えるのがなかなか難しいという話になりました。

そこで「パソコンに入力できれば実践的に練習できるのではないか」という話になりました。

――なるほど、アマチュア無線のためなんですね。

アマチュア無線の免許には第1級から第4級の4段階あり、小山さんが取得した第1級は最上級免許だ。

モールス信号を扱うのは3級以上の免許が必要で、アマチュア無線の愛好家の中には「モールス通信こそアマチュア無線の醍醐味」と言う人も少なくない。

モールス信号を勉強する方法はさまざまあるが、練習する側が免許なしにモールス信号を発信することはできない。また、練習用の機器もあるが1~2万円前後が相場だ。

そういった事情がある中で、パソコンとUSB接続で利用できる「フォーサム」は画期的な製品だった。

学生のアイデアを支えたベンチャー企業

――「フォーサム」の設計から販売までにはどれくらいかかりましたか。

樫原さん:設計自体はほぼ半日で、開発も根本的なプログラムや回路設計の製作などの電子的な部分も2日で完了しました。
そして、樫原さん、小山さんたちは販売する場として「東京デバイセズ」というWeb販売サイトを利用した。

https://tokyodevices.jp/

https://tokyodevices.jp/

東京デバイセズは茨城県つくば市で研究開発用電子デバイスの企画・販売等を行う岩淵技術商事株式会社が運営している。同社は筑波大学発のベンチャー企業だ。

同社が、学生が開発した機器の販売支援やアドバイスを行ったのは今回が初めてのケースだったという。

代表取締役の岩淵志学さんは、

「以前からそういう構想自体はあったのですが、今回が初の試みです。これからどんどん事例を増やしていきたいと考えています」と語った。

アイデアを形にし、世に出すことを支援する存在は、学生にとっても励みになるに違いない。

フォーサムは2016年4月に次期作を発売する予定で、初期モデルよりも対応できる文字の種類が増えるなど、グレードアップして販売される予定だ。

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