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日々、美しいと思ったものを描く!“多色刷り”消しゴム版画作品の絶妙な色合いが繊細で美しい

yasuko aoyama

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多色刷り消しゴム版画作品の絶妙な色合いが繊細で美しいと話題を呼んでいる。

幻想的なデザインも印象的

この作品を制作しているのは、多色刷り消しゴム版画作家のアオヤマヤスコさん(@nijinoink)。

こちらの“星影”という作品は、版画を立体的に表現したアイデアが印象的。

yasuko aoyama

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遠くに浮かぶ月とそれに向かって飛翔する鳥の幻想的な美しさに目を奪われる。

今回は彼女に多色刷りの消しゴム版画作品を制作し始めたキッカケ、そして作品を制作する際に工夫している部分や特に難しい箇所などに関して伺った。

やってみたいことが増えて今の形に

――多色刷りの消しゴム版画作品を制作し始めたキッカケは?

元々は消しゴムはんこの制作をしていました。

5から6センチくらいで絵柄も動物のキャラクターや可愛い模様などを中心に彫っていたのですが、作っているうちに「サイズを大きくしてみたい」とか「色数を増やしてみたい」など、やってみたいことが増えてきました。

それを一つ一つ実践していったところ、徐々に今の形になっていきました。

はんこを押した紙の方を買いたい!

――初めて作った多色刷りの消しゴム版画の作品は?

厳密にいうと初めての版画作品というわけではないのですが…。

“夜のまぼろし”という消しゴムはんこの作品は、4つのはんこを並べて1つの作品になるようにセットで販売していたはんこです。

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下の方の2つのはんこは、重ねて押すと木の部分に色が付けられるように作りました。

しかし、買ってくださった方には、なかなかきれいに押すのが難しいようで、「はんこを押した紙の方を買いたい」とお客さんからリクエストがありました。

それが、版画制作を考え始めたキッカケだったように思います。

制作過程や仕上がりを楽しみたい

――版画にしやすいように工夫している部分はありますか?

下絵は普通に絵を描くのと同じように描いていて、版分けで何か工夫ができないか考えることが多いですね。

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自分自身が制作過程を楽しみたいですし、仕上がりをいちばん楽しみにしているので「楽しめる要素をたくさん入れたい」と思っています。

例えば、版1枚で済む背景の色を版を3枚重ねて“色の重なり”を楽しんでみたり…。

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また、輪郭線をできるだけ省いてモチーフの形がわかるかわからないかなど、そのようなアイデアが良いと感じるか、悪いと感じるかを試してみたりとか…。

一気にすべての版をトレース

――消しゴムに下絵を転写する際に気をつけていることを教えてください。

転写時は、特に多色(刷り)だと転写でずれたまま彫ってしまうと後々大変なので、ずれないようにかなり気を遣ってトレースしています。

下絵が描けたら多くのものは、下絵中に考えた版分けのイメージを忘れないうちに、一気にすべての版のトレースをしてしまいます。

また、彫ったものからすぐに試し刷りをして、再度トレースしたものにずれがないか確認します。

コツは“迷わないこと”

――消しゴムを彫っていく際に、気をつけていることやコツは?

細かい絵柄では、特に模様が密集していたりすると、ある部分を彫ったときに隣の絵柄にまで刃が入って彫り落としてしまうことがあるので、深く刃を入れすぎないように気を付けています。

(消しゴム自体が)柔らかいので、仕上げの余白彫りのときに力が入りすぎて絵柄を彫り落とすということもやってしまいがちです…。

なので、「疲れてきたな」と感じたら、その作業だけ次の日に回したりもしています。割と長く彫っているはずなんですが、本当によく失敗します。

yasuko aoyama

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コツは“迷わないこと”でしょうか。

版分けとトレースの段階で散々悩むので、彫るときには“気持ちを切り替えて”臨むようにしています。

勢いをつけて彫るくらいが、曲線も切り口もきれいに彫れます。

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色違いはしっかり水洗いして制作

――色違いの作品を制作される場合は?

同じ版を使っています。

消しゴムはしっかり水洗いできるので、前の色が残ることもありません。

また、版は大体色ごとに分けて作るので、色は替えやすいです。

ただ、使う色数が多くなるほど“しっくり”くる色の組み合わせができにくいので、依頼で制作する以外だと色違いで刷ることはそれほど多くはありません。

納得のいく色の組み合わせを探す

――制作する過程で特に難しい箇所を教えてください。

市販されている版画用の消しゴムは最大ではがきサイズのものなので、それ以上のサイズの作品を作るときは継ぎ目ができるだけわからないような版分けにしたり刷ったりするのが難しいです。

以前、消しゴム5枚分(左側が縦に2枚、右側が横に3枚)の大きさで作ったことがあるのですが、訳がわからなくなって版分けがまったく進まなくなったことがありました。

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他には、最終的な色の組み合わせを決めるのが難しいと感じます。

彫っていて「イマイチかもしれない…」と思っていても、その印象が色で180度変わることもあります。

納得のいく組み合わせがなかなか見つからない期間は、毎日頭を抱えています。

美しいと思ったものを描く

――作品のモチーフの選定や着想、インスピレーションは?

日々、目にするものの中で、美しいと思ったものを描くことが多いです。

そのままを描くこともありますし、感じた美しさを強調できるような何かに置き換えて描くこともあります。

最近だと、風邪で寝込んで見た夢に出てきたタコを描くとか…。

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今年は、文学作品や音楽からイメージした絵柄を作ってみたりもしました。

鳥と植物はずっと好きなモチーフです。最近は海の生き物や虫もよいなと思っています。

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木版画にも取り組んでみたい

――今後の活動に関して教えてください。

今後の制作についてですが、消しゴム版画以外の版画に関してはまったくの未経験なので、他の版画の手法を学ぶという意味で木版画に取り組んでみたいと準備中です。

今年中に(木版画でも)何か作品を作ってみて、消しゴム版画の方でも活かせるものが得られればと思っています。

様々なジャンルで大活躍

絶妙な色合いと幻想的なデザインが美しいアオヤマさんの作品。

2016年4月26日には、男女ユニット“サンタラ”のアルバム『Moon in a bottle』のジャケットデザインに彼女の作品が採用。

2016年10月13日発売の『おしゃれにはなやぐ 和モダン年賀状 2017年版』(技術評論社)に酉年年賀状デザイン6点が掲載されるなど、様々なジャンルで大活躍中だ。

彼女の作品だが消しゴム版による多色刷り版画作品を印刷したポストカードや缶バッチなどは、こちらのshopから購入できる。

また、版画作品の販売については「展示などの予定が入ることもあるので、ホームページなどからのお問い合わせに対応させていただく形をとっています」とのこと。

今までに制作した作品の価格帯は6千円から4万円位で、展示やイベントでの販売も行っているという。

アオヤマさんの作品が気になっている方は、ぜひSNSのアカウントをフォローしてみてはいかがだろうか。

Twitter:@nijinoink
Instagram:@aocococo
tumblr:@nijinoink

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