プロ野球選手と1球キャッチボールで監督謹慎1ヶ月! 酷くない? 

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公益財団法人日本高等学校野球連盟

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高校球児がプロ野球選手と1球キャッチボールしただけで、監督が謹慎処分になる。そんな恐ろしい出来事が実際に起きた。今年1月、大阪市内で行われた「正しい110番の掛け方」と言うイベントに阪神タイガースの捕手が一日警察署長として招かれた。捕手は警察官の格好をした上で、イベントを盛り上げるべく、キャッチャーミットを持ったのである。投手が「安全」と書かれたボールを阪神タイガースの捕手に投げ込み、ナイスキャッチ。ヤンヤヤンヤの喝采で、イベントは大成功のうちに幕を閉じたのである。

ところが、現場に居た阪神タイガース関係者は「これは学生野球憲章に違反するかもしれない」と冷静にイベント主催者に指摘したのである。なぜなら、「安全」と書かれたボールを投げ込んだ投手、そして打者役の選手とも高校球児であり、高校のユニフォームを着用していたのである。イベント主催者もまさか1球ボールを投げ込んだだけで憲章違反になるとは思わなかったであろう。憲章では、高校生とプロ野球選手が一緒にプレーすることは禁じられている。例え一球でも。

高野連の裁定は「たとえ1球のキャッチボールでもいっしょにプレーしたとみなされる」と言うもので、選手を参加させた監督は1ヶ月の謹慎処分になったのである。この監督は警察署から依頼を受け善意で部員を貸し出しており、地域貢献活動の一環であったと思われる。たかが1球ボールを投げ込んだだけで、謹慎処分と言うのは非常に乱暴な印象を受ける。高野連は「規則は規則である」と言いたいようだが。

高校野球は以前から過密すぎる日程が問題視されている。優秀な投手が高校野球で酷使され、故障から野球生命を絶たれるケースや、プロに入って実力を出し切れないケースも多い。田中将大投手もヤンキース入団の際、高校野球で投げた込んだイニング数が多すぎるとして不安視されていた。

また近年は猛暑にもかかわらず、真夏に大会を開催し、熱中症で倒れる球児も続出しているが、「それが高校野球である」との精神からか、改善しようとする気配がない。目に余る特待生制度も、一度は問題視したものの、事実上有耶無耶になっている。今回のような小さな事に目くじらを立てる暇があるのなら、もっと目を光らせなければいけない事が山ほどあるのではないだろうか。

謹慎処分を受けた監督が不憫でならない。

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