日本では、初職でつまずくと人生の巻き返しは難しい

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バブル崩壊後の1993年から始まった就職氷河期。2005年までの12年に渡り、大学を出ても正規雇用の職に就けずに、フリーターや派遣などの非正規雇用にて働く人がたくさん発生した。

就職氷河期を経験した世代は、今では30~40代。働き盛りであり、子育てに忙しいはずの年代だ。この世代を含めたアンケート調査にて、初職につまずくと所得が低く、未婚にとどまり、心理的なストレスを抱えやすい傾向があることが明らかになった。

初職が正規雇用以外なら、現在も非正規雇用の傾向

小塩教授 (一橋大学) と稲垣教授(東京工業大学)が2014年5月16日付で独立行政法人経済産業研究所内にて発表した論文「初職がその後の人生やメンタルヘルスに及ぼす影響」によると、初職で正規雇用になれなかった人は、現在の職業も非正規雇用である傾向が高かったという。

その結果、所得も低く、結婚もできず、メンタルヘルスにも悪い影響が及ぶことが明らかになった。

今回の調査は、30~60歳の男性3117人、女性2818人の個票データを基に、現在の就業形態、世帯所得、婚姻状況、心理的ストレスについて分析したもの。

今後はどうなるべきか

この論文の著者は、新卒採用を含めた雇用システム自体を見直すことや、雇用構造の変化に応じたセーフティ・ネットの改革が必要だと述べている。

確かに、30~40代で正規雇用の経験がない人が、今から正規雇用を目指すのはなかなか難しいものがあるだろう。企業側も、即戦力としてスキルを持たない人物は、新卒採用に限ってしまう傾向が多いのも事実だ。

急速に進む高齢化社会の労働力確保のためにも、進む少子化対策のためにも”初職でつまずいた人々”への救済策は必要なのかもしれない。

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