エボラ出血熱の感染が拡大。治療を続けたヒーロー医師も死去

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国境なき医師団

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設備の整った大学病院で世紀の大発見をして数万人を救う医者もいれば、医療現場の最前線で危険と隣り合わせになりながら、目の前の患者を救う医者もいる。

7月29日の午後、西アフリカのシエラレオネでひとりの医師が息を引き取った。彼の名前はSheik Humarr Khan(39)。エボラ出血熱の感染拡大が続くシエラレオネで、患者の治療に当たっていた人物だ。

国内で唯一の専門家だった

Khan氏は、シエラレオネで唯一のウィルス性出血熱の専門家だったため、国内ではヒーロー視されていた。彼が亡くなったその日には、Ernest Bai Koroma大統領が彼の診療所を訪れる予定だったという。

彼はエボラ出血熱の治療現場の最前線に立ち、100人以上を治療。エボラ出血熱の感染が分かってからは、国境なき医師団によって運営されている病院で治療を受けていた。

彼は治療を続けるリスクを十分に理解しており、6月には「怖い」と語っていたそうだ。

危険を覚悟しながら治療に当たる医師たち

今回、エボラ出血熱の感染拡大に当たり、命を落としたのは彼が最初ではない。そして恐らくは最後でもないだろう。数十人の医師が命を落としているほか、今現在治療を受けている医師もいる。

エボラ出血熱とは

シエラレオネだけではなく、リベリア、ギニア、ナイジェリアなどの7か国で感染が拡大しているエボラ出血熱。2月に感染拡大が始まってから、すでに700人近い患者が命を落としている。

感染した人や動物の血液や体液、体内組織に直接触れることで感染するため、感染者の家族や医師への感染リスクが高い。

ワクチンや特定の治療法がなく、死亡率は60%を超えるという。赤十字やWHOなどでは、感染拡大防止と早期治療を可能にするため、疑わしい症状が出たらすぐに保健センターに患者を連れてくるようにと訴えているが、なかなか十分な理解は得られていないのが現状だ。

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