サバがマグロを生む時代がやってくる?-東京海洋大が実験に成功

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Flickr/Takeshi Igarashi

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「トンビが鷹を生む」-平凡な両親から優れた子どもが生まれるという意味のことわざだが、「サバがマグロを生む」は現実になりそうだ。

サバの体内にマグロの生殖細胞を移植

今回東京海洋大が実験に成功したのは、サバの稚魚の体内にマグロの生殖細胞を移植すること。雄の精巣や雌の卵巣に入り込み、体内で増殖していることが確かめられたという。

この夏にも産卵や交配が可能になり、世界初の「サバが生んだマグロ」の誕生となりそうだ。

絶滅危惧種に指定されたクロマグロ

2014年に太平洋クロマグロは、国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種に指定された。

今回の実験が実用化されれば、クロマグロを養殖して安定的に供給できるようになる。

なぜサバにマグロを?

マグロはサバ科マグロ属。サバは親戚のようなもの。

漁業では稚魚を育てることを種苗生産、育てた稚魚を放流することを種苗放流と呼んでいるが、マグロは体が大きいため、親となる成魚の飼育に年間数億円のコストがかかってしまう。

しかし、成魚でも全長数10cmほどのサバならば、年間100万円程度にコストが抑えられる。

また、卵から大人になるまでの期間を見ても、マグロの5年に対し、サバは1年ほど。短期間かつ低コストでマグロの種苗生産が可能になる。

自然の力を超える技術ではない

2011年2月に発行された「責任あるまぐろ漁業推進機構」のニュースレターでは、研究者のひとりである竹内准教授は今回の技術についてこう語っている。

「自然と勝負してもかなうわけがない。しかし、人は、自然の中で生きていくために食べ物を作る必要があります。それを、自然環境に負担をかけずに実現するのが科学にできることであり、人間にできることなのです。」

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